伊・マテーラ県、宿泊施設に日本人向けサービスを研修、滞在客の増加めざす

  • 2008年1月17日
 イタリアの南部、バジリカータ州のマテーラ県は、日本人観光客誘致プロジェクトとして日本人向けサービスなど受け入れ体制の整備を進め、日本人宿泊者数の増加をはかる。マテーラ県にはサッシの街に世界遺産の「マテーラの洞窟住居」があり、現在は日本人が年間1万5000人ほど訪れるが、パッケージツアーの途中に2時間ほど滞在するパターンが多く、宿泊者は1000人ほどにとどまる。そこで同プロジェクトでは、宿泊施設やレストランなどを対象に日本人向けサービスの拡充を支援する目的で、高品質なサービスを提供する施設の認定制度を設けたほか、日本語の半年間のレッスンを提供する。このほど来日したマテーラ県知事のカルミネ・ニーグロ氏は、これらの取組みで、「最高の滞在を保証できるようにしたい」とし、訪問者数2万人と宿泊者数3000人の達成を目標に掲げた。

 現在、マテーラ県にはホテルが約30軒客室数は約500室、レストランは200軒ほどある。認定制度では研修を修了した施設に認定マークを与え、質を保証する。認定制度の顧問にはマテーラ在住10年の黄瀬素子氏が就任。黄瀬氏は日本人向けのサービスの指導について、お辞儀の仕方や日本人にとってのバスタブの重要性の説明など、「細かいことの積み重ねが重要」と語る。2月にはプレスツアーを実施し、実際のサービスを旅行業界に紹介する方針だ。

 マテーラ県の魅力は、世界遺産をはじめとする先史時代からの歴史的遺産や芸術、文化、食など。ニーグロ氏は、「小さな町だが、海が美しく自然も豊か。ぜひ宿泊し、地域に触れて魅力を知って欲しい」と語る。現在は、日系旅行会社のローマ支店と相談し、1泊から3泊までのモデルツアーを作成、パッケージに組み込む会社も出てきているという。