ニューヨークの人気スイーツをご紹介

  • 2007年10月2日
食事の手配の必要があるため、旅行会社は現地のレストラン情報に詳しいかもしれないが、「3時のティーブレイクにふさわしいお店は」となるとなかなか…。しかも、「今流行の」というキーワードが付くと、時間の流れの速いニューヨークのトレンドをキャッチした情報を伝えるのも難しいところ。そこで今回は、いまどきのニューヨーカーのライフスタイルを反映した、人気のスイーツのお店を紹介する。どちらもオープンから時間が経っているものの、いまだにニューヨーカーの心を捉えて離さない人気を誇る。(取材、文:加藤明子)


テレビドラマで一躍人気のカップケーキ
「ブーレー・ベーカリー(Bouley Bakery)」 http://www.davidbouley.com/ 

 ニューヨークを舞台にしたアメリカの人気テレビドラマ「セックス・アンド・ザ・シティ」の登場人物の好物として使われていたことから、一躍人気となったのがカップケーキ。ロケ地となった店「マグノリア」はもちろん、市街では数々のカップケーキが並ぶお店が見られる。そのうち、今回紹介するのは、マンハッタン南西のトライベッカ地区に位置する「ブーレー・ベーカリー」。ここはニューヨークのグルメシーンで活躍するトップシェフ、デビッド・ブーレー氏がプロデュースするデリ&ベーカリーだ。

 地中海風クスクスのサラダやチーズをたっぷり使ったラザニア、赤ワインで煮込んだ牛肉など、多種多様なニューヨークのバックグラウンドを反映するかのような多種多様な惣菜は全て、量り売り。反対側の棚にはサクサクのデニッシュや、ふかふかのシフォンのようなスイーツパン、クロワッサンやバゲット、全粒粉を使ったハードタイプのものまで揃う。

 そして今回の主役のカップケーキは、バニラ味とココア味の2種類。「エンジェルケーキ」と名づけられたイメージどおり、パステルカラーのバタークリームとカラフルなチョコスプレーがデコレーションされ、絵本に出てきそうなくらいの可愛らしさ。一口ほおばると、ケーキ部分は口に入れた瞬間に溶けてしまいそうなほどふわふわで、バタークリームの濃厚な甘さを包み込んでくれるかのよう。他のカフェで売られる「こってりアメリカンタイプ」ではなく、シェフの技の光った一味違うカップケーキが味わえる。


宝石のようなショコラ
「マックス・ブレンナー(Max Brenner)」 http://www.maxbrenner.com/

 日本でも、ピエール・マルコリーニやジャン=ポール・エヴァンなど、スーパーショコラティエの活躍で高級チョコレートが人気だが、ニューヨークでもこの5年ほどの間に宝石のようなチョコレートを専門に扱うショコラテリーが増えている。

 そんな中、ちょっと風変わりなチョコレート体験ができるのが、プリンス・ストリートにある「マックス・ブレンナー」。トレードマークが、イスラエル出身のオーナーの似顔絵でもあるスキンヘッドの男性のイラストという点からもショコラテリーっぽくないのだが、ビジュアルのインパクトも手伝ってニューヨーカーにはおなじみの場所になっている。「The Bold guy loves chocolate=ハゲ男が大好きなチョコレートをどうぞ」というシニカルなキャッチフレーズも、ニューヨークらしい愛嬌に感じられる。

 店内ではバリスタが、エスプレッソマシンではなくホットチョコレートマシンを相手に奮闘。マシンからは茶色のチューブが伸び、その先はとろとろに溶けたチョコレートタンクに繋がっているという、チョコレート工場風のディスプレイもユニークだ。メニューはもちろんチョコレートづくしで、ホットチョコレートも「ミルク」「ビター」「ホワイト」と種類が豊富。チョコの種類ごとに味が違っていたり、フローズンだったり、ナッツフレーバーだったり。その他、チョコレートクッキーやスコーン、ジェラードなど、カカオを基にしたスイーツが揃う。チョコホリックにはたまらない店といえるだろう。