JTB、富裕層戦略強化、会員誌発行やサイト立ち上げ、市場調査や新事業も

  • 2007年6月26日
 ジェイティービーは先ごろ、「富裕層戦略推進室」を発足、顧客囲い込み、新規開拓、人材育成に本格的に取り組む。これまで富裕層は預貯金金額や納税額で割り出した定義付けされていたが、同推進室では旅行消費に関わる可処分所得での視点で独自の定義付けし、さらに年間の旅行取扱額や、1回1人辺あたりの購買単価で階層別に分別。より富裕層に適した戦略を組んでいくという。

 その一環として扶桑社と連携し、会員制のラグジュアリーマガジンを12月に創刊。さらに読者を対象にした会員制ウェブサイトを開設し、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)や、富裕層向けの商品販売、手配旅行の案内などを掲載する。SNSによって富裕層のライフスタイルが可視化できるほか、富裕層が好む商品などの物品販売事業も展開することで嗜好の調査も可能になり、こうしたデータを商品の開発や人材育成に生かすマーケティングツールとしての側面も持つ。

 また、人材育成では、特に富裕層の接客では人にお客様が付くことも多いが、移動などの多い大手では弱いところとして、ホスピタリティの可視化を図り、マニュアルも策定する。これにより、首都圏のみならず地方を含めた全社的な対応も可能となり、顧客の囲い込みに加えて、新規拡大に繋げる考え。富裕層が満足する接客ができる個性やキャラクターを生まれながらに持つスタッフが対象で、JTBが富裕層と捉える世帯数がJTBを利用する世帯数全体の2%であることから、育成するスタッフも全体の2%程度で考えている。