中部国際空港、通期営業年度で2期連続の黒字確保−今後は競争環境厳しく

  • 2007年5月18日
 中部国際空港はこのほど平成19年3月期連結決算(平成18年4月1日〜平成19年3月31日)を発表、前期並みの売上高となる前年比0.2%減の525億2600万円であったが、当期純利益は43.8%減の11億8600万円となった。2期連続で利益を確保したものの、羽田空港の国際化、関西国際空港の2本目の滑走路の供用開始などから、今後の経営は競争が厳しくなるとの認識だ。

 売上高は、万博や開港特需の影響があった前期に比べ0.2%減の525億2600万円を確保。国際線の増便や貨物用上屋使用料などが増収要因で、万博特需の影響から減収となったテナントなどの商業部門をカバーした。営業費用は新しい建物の建設や保安機器の導入、固定資産税の負担増や減価償却費の増加などから、前期比2.8%増の448億2900万円だった。営業利益は14.8%減の76億9600万円、経常利益は25.7%減の17億1800万円。

 来期は売上高が19年3月期から1.5%増の533億円、営業利益は14.2%増の66億円、経常利益53.4%減の8億円、純利益は70.5%減の3億5000万円と予想。代表取締役副社長の山下邦勝氏は、羽田空港国際化や関西空港の新滑走路など、セントレアを取り巻く経営環境が厳しさを増すことに対し、貨物用上屋の増床、立体駐車場の建設などの追加的な設備投資を積極的に行うなど、「前向きな対応」をしていく考え。また、期待通りに推移していない国内線の増便、誘致、乗継利用の増加などの営業努力を継続し、引き続き黒字経営を目指すという。