デルタ航空、米国内線と国際線の収益比率を対等に−国際線が急拡大

エレッジ氏によると、DLの再建計画は主として3つの項目からなる30億ドルのコスト削減の達成を目指すもの。固定費の削減、コスト効率化、国際線の拡充を主な項目として、予定していた2年の計画を前倒しで達成できることを強調する。
再建期間中、DLはこれまで強みとしていたアメリカ国内線から、国際線の収益比重を高めてきた。例えば、2005年第4四半期に国内線と国際線の収益比重が81対19であったものが、2006年第4四半期には65対35にまで変化。DLの関係者によると理想とする収益構造は50対50で、今後も国際線での拡大を続けていく。
国際線の拡大基調において、ハブ空港はアトランタのほか、ニューヨーク、ロサンゼルスとしており、カリブなどではソルト・レークも含む。また、路線拡大は中欧、アフリカ大陸、中南米などを中心に展開。アトランタをハブとした中米方面は2005年6月に30都市の就航から2006年第1四半期には60都市と倍増するなど、規模の拡大が早まっている。また、上述のとおり、6月にはソウル線を就航するほか、2008年には上海線の開設を視野に入れ、既に米運輸省に申請をしているという。
今後、日本路線の拡大、新規就航などについては、「成田に興味がある」(太平洋地区統括取締役・岡本淳次氏)というものの、現在の日米航空交渉の状況ではスロットの確保どころか、枠の返上なども視野に入れた話し合いの状況。ただし、2008年にはボーイング777型機を新たに受領する予定で、ビジネスクラスには新シートを装備するなど、設備面でのアップグレードを予定している。また、成田以外の市場については、スカイチーム加盟の大韓航空が日本12都市に就航することから、アライアンスの動きの中で収益性を高めていく考えだ。
▽コスト削減−コミッションの方針
アメリカやヨーロッパ市場では、コミッション「0%」の時代であるが、エレッジ氏はこれについて「本社レベルで現在のところ、変更する考えは無い」と言明した。特に、アメリカでのコミッションの方針は、DLがチャプター11を申請する一要因となった格安航空会社(LCC)の台頭とも関連し、「0%」とした経緯を語ったが、「国際線、特にアジア市場でビジネスをしていく上でコミッションは必要」と語り、「コスト構造としても、コミッションを払っても、利益を確保できる」としている。
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