観光立国推進戦略会議、安倍内閣も引き続き重要施策として取組み

  • 2006年12月22日
 安倍内閣となって初となる観光立国推進戦略会議が21日、官邸で開催された。約1年ぶりの開催で、内閣が交代してから初とあって、塩崎恭久内閣官房長官が易経の「国の光を観る」からの観光を引用し、地域の伝統文化を見せることが重要との考えを改めて示した。

 会議では国土交通省から現在の施策、観光立国推進基本法の成立の報告をしたほか、今後は内外への情報発信の強化、消費者の立場から需要増加を考える立場などを説明。出席した各委員からの意見を受けた。

 特に、今回初めて出席した建築家の安藤忠雄氏は、瀬戸内海の直島で自身が設計した美術館を紹介。瀬戸内海は産業廃棄物などで問題にもなったが、この直島は美術館をはじめ企業、地域住民が一体として地域づくりに取り組み。現在は年間15万人の観光客が訪れており、このうち中国、台湾を中心に1万人の外国人訪問者が訪れる。

 会議では、こうした地域活性化についての意見が多く寄せられ、例えば、棚田の有効活用、観光を点から線、そして面へと広げることで地域の活性化を図ること、観光産業の地元との協力についてなどがあがった。

 今後、議論はワーキンググループで詰め、第9回となる観光立国推進戦略会議は来年5月に開催、観光立国推進基本法の計画策定にも反映する。また、この会議は小泉前首相自ら旗振り役を務める場面もあったが、引き続き、国土交通省総合観光政策審議官を中心に各省庁横断的に連携を取り、ビザ等で解決が難しい局面では官邸、内閣府も加わり、方向性を各省庁に打ち出していく。