南薩観光、第1弾の着地型商品を設定、地域と旅行会社の「パイプ役」に

  • 2006年12月7日
 南薩観光はこのほど、着地型の旅行商品を設定、旅行会社を対象に販売を開始した。この商品は映画「俺は、君のためにこそ死ににいく」の全国放映を契機とした鹿児島への訪問促進を目指したもの。知覧、および「特攻の母」と言われる故鳥浜トメさんの孫にあたる鳥浜明久さんが語るトメさんの生涯をハイライトとした内容となっている。

 販売施策としては2月から3月にかけて試行的に販売、4月以降は本格的な販売とする。具体的には、鹿児島市内の指定ホテルから知覧、指宿、枕崎などを巡り、鹿児島市内へ戻るバス「ちらんライナー」を運行、その他、パンフレット等に掲載する画像、顧客へ提供する情報なども用意している。

 販路としては、1名からの販売も可能としており、全国旅行業協会(ANTA)のANTA-NETでの電子クーポン、精算システムにも対応する。そのほか、大手旅行会社の南九州行きの募集型企画旅行をはじめ、楽天トラベルの鹿児島特集での販売を検討。楽天ANAトラベルオンラインが提供する国内旅行のダイナミックパッケージに組み込む商品としても打診をしているという。


▽南薩、着地型商品を積極的に展開へ

 南薩観光の菊永正三氏によると同社では現在、着地型旅行への取組みを地域との共生、地域住民の参画を得る方向で企画・立案しているという。今回の東映による全国放映をきっかけとした商品は着地型商品の第1弾と位置づけ、地域と全国から集客をする旅行会社とのパイプ役を目指していく。

 このため、情報提供では南薩のサイトに旅行会社向けに商品用の専用サイトを開設。パンフレットに掲載する写真の提供、着地型商品以外の南九州のモデルコースを掲載するほか、観光情報を提供する。ただし、現在のところ、地域との協同について、具体的な内容は「模索中」ともしており、今回の商品展開をはじめ、ノウハウを積み重ねていく考え。

 今後については、2008年にNHKの大河ドラマで江戸幕府の第13代将軍・徳川家定の正室となった篤姫を主人公とすることが決まっており、篤姫の生誕地が指宿であることから、これを核に着地型商品の企画を検討しているという。