JTB、交流文化産業・分社化の一環でカルチャー事業を全国展開、領域拡大図る

  • 2008年2月24日
 ジェイティービーは2003年から関西地方で展開していたカルチャー事業の全国展開を図る。これは4月6日に東京・新宿で「JTBカルチャーサロン新宿教室」を開設するもの。4月開講時の講座数は106講座で、年間では200講座ほど開設を予定。初年度の販売額は7000万円、受講者数は4500名を見込み、3年間で単年度黒字を目指す2009年には販売額3億円、受講者数2万名を目標とする。

 開講にあたり、JTB専務取締役の田川博己氏は、「JTBが交流文化産業へと旅行業から事業分野を拡大するにあたり、これまでの販売機能、企画だけでなく、事業としての機能を持ちたい」という考えを示した。特に、4月に分社化を控え、JTBグループとして総力を発揮する連結経営が一段と重要性を帯びることも踏まえ、カルチャー事業そのものを黒字として展開すると共に、主軸となる旅行業の相乗効果を期待。旅行業としては、修学旅行やハネムーンなど、人生の節目に当たる際に「旅行」を取り扱っていたが、新事業は「JTBがそうした節目を作っていく事業」と表現し、生活産業に近いビジネスとして、地域との連携なども含めた幅広い事業へと転換していく姿勢を示した。
 また、田川氏は今回の新宿での開設を「全国展開」とも語り、東京以外にも全国の政令都市にカルチャーサロンを設置する方向だ。東京・新宿での展開については、カルチャースクールの大手が新宿で展開していることによる相乗効果、地域的に高い集客力を誇ること、JTB新宿支店との連携を図りやすいことを挙げる。
 ただ、シニア向けに様々なクラブ組織を展開しているクラブツーリズムについては、「意識していない、と言えばうそになる」としながら、「結果として同じかもしれないが、戦略の過程が異なる」と強調。JTBでは「カルチャー講座」そのものが利益事業とし、さらに副次的に旅行事業へつながるという考えだ。


 なお、運営を行うジェイコムによると、関西で2年間にカルチャー講座から発展したツアーは20本、このうち海外旅行は9本。また、個人で旅行を申込む動きについても毎月20名から30名ほどを各支店に紹介しているという。