クルーズバケーション、P&Oパシフィック・スカイの販売で新市場開拓

また、このクルーズはシンガポール発着であることから、東京、名古屋、大阪、福岡発の直行便が就航しており、乗客の利便性、集客・新規顧客の開拓の意味で期待は広がる。クルーズバケーション代表取締役社長の木島榮子氏は今回作成したパンフレットを一例に「(クルーズの)新しいイメージを打ち出したい。これまでクルーズで赤という色は使ってこなかった」と語り、クルーズ市場の拡大に欠かせない若年層、地方の開拓を進める考えを示した。なお、集客目標は1000名だ。
▽日本各地からクルーズ発地へ直行便利用、初心者を開拓

P&Oはカジュアルで手軽ながら、7泊の本格的なクルーズを催行。ファミリー層へも訴求しているが、アジア、特に日本でもこうした販売姿勢には変わり無い。また、シーズナリティによる値段の違いを設定せず、客室料金はスイート、海側、廊下側の3体系のシンプル、かつわかりやすさを打ち出し、クルーズ初心者に配慮している。
デスティネーションとしてもブリスベン発着、シドニー発着などを揃え、日本からのアクセスも札幌、東京、名古屋、大阪、福岡の4都市発が可能で、顧客開拓の可能性は高い。また、航路としても南太平洋を中心としており、ニューカレドニア、ローヤルティアイランド、バヌアツなど、数ヶ所を巡る煩雑さの軽減、日本では新しいデスティネーションの開拓につながる可能性も秘める。こうした意味から、クルーズバケーションでは今回の商品はパッケージツアーに適するとしている。
▽「説明商品」がどこまで説明が要らないか、逆転の発想

オンラインでの販売にもこうした考えを踏襲。利用者層が若い世代が多いことから、クルーズ商品がオンラインでも購入できることを改めてアピールするほか、商品として説明が多く必要とされるクルーズがどこまで持ちこたえられるかが、勝負だ。現時点で数量として多くは期待できないものの、将来的には近々に導入が完了する「ポーラーオンライン」とオンライン旅行会社がシステム同士を接続し、一段とすばやい商品販売体系の構築も視野に入れている。クルーズバケーションとしてもこうした点を配慮し、サイトのリニューアルをはかり、情報提供に努める考えだ。
▽関連記事:P&O、来年2月からシンガポール発着7泊クルーズ、日本発1000名目標
https://www.travelvision.jp/modules/news1/article.php?storyid=20407
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上:パシフィック・スカイのアジアクルーズ・パンフレット
中:パシフィック・プリンセス、シドニー湾を背に
下:パシフィック・スカイ