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TEJ2026開幕、高市総理「イン・アウト双方の交流拡大に期待」 商談6454件、WTTCと連携強化

 ツーリズムEXPOジャパン2026(TEJ2026)が9月24日、東京ビッグサイトで開幕した。27日までの4日間開催し、24、25日は業界・プレス日、26、27日は一般日。今年のテーマは「進化する旅のカタチ」。出展規模は1553小間、海外から74カ国・地域が参加し、4日間で18万人の来場を見込む。商談会ではバイヤー855人、セラー1019人が参加し、事前アポイント数は目標の6200件を上回る6454件となった。

ツーリズムEXPOジャパン2026の開幕を祝うオープニングセレモニーのテープカット

 オープニングセレモニーには高市早苗首相がビデオメッセージを寄せ、TEJを通じて「インバウンド、アウトバウンド双方の交流が一層拡大」することに期待を表明した。政府が3月に策定した新たな観光立国推進基本計画にも触れ、地方誘客をはじめとするインバウンド政策に加え、国内交流・アウトバウンドの拡大、観光産業の強化を進める方針を示した。

 新たな観光立国推進基本計画では、観光を地域経済や日本経済の発展をリードする戦略産業と位置づけ、「国内交流・アウトバウンド拡大」を主要施策の一つに設定。2030年の訪日外国人旅行者数6000万人、旅行消費額15兆円などの目標を掲げている。

ビデオメッセージを寄せた高市早苗首相

海外旅行「まだ回復途上」、双方向交流の活性化へ

 オープニングで日本観光振興協会の菰田正信会長は、国内旅行が着実に回復し、訪日旅行が高水準で推移する一方、「海外旅行は持ち直しつつあるものの、まだ回復途上」との認識を示した。多くの国・地域が参加するTEJを通じ、海外へ出掛けることの楽しさを体感してもらうことで、双方向交流のさらなる活性化につなげたいとの考えを示した。

開会挨拶を行う日本観光振興協会の菰田正信会長

 主催者会見でJATAの原優二会長は、74カ国・地域からの参加について「日本の旅行市場への期待の高さを表している」と受け止め、TEJを通じた観光産業のさらなる活性化に期待を示した。

 TEJ実行委員会の山北栄二郎委員長によると、1553小間の内訳は国内619小間、海外597小間、その他旅行・観光関連337小間。国内は46都道府県が出展する。商談会にはバイヤー855人、セラー1019人が参加し、事前アポイントは6454件に上った。業界日の2日間を通じ、具体的な商品造成やビジネスにつながる商談機会の創出を図る。

 今年は従来のテーマ別エリアを「TEJコレクション~選べる旅、ひろがる世界~」として刷新し、新たにウェルネスツーリズムとガストロノミーツーリズムを追加した。クルーズ、アドベンチャーツーリズム、スポーツツーリズムなどと合わせ、旅行ニーズの多様化に対応した提案を強化する。

主催団体記者会見に臨む(左から)蒲生篤実JNTO理事長、最明仁日本観光振興協会理事長、原優二JATA会長、山北栄二郎ツーリズムEXPOジャパン実行委員長

WTTC、JATA、TEJが協力覚書 DX・人材育成でも連携

 国際連携の強化も今年のTEJの特徴となる。24日には世界旅行ツーリズム協議会(WTTC)、JATA、TEJの3者が、「持続可能で長期的な観光促進に向けた協力覚書」の署名・交換式を実施した。

 覚書では、TEJの観光大臣会合やオープニングセレモニーなどへのWTTC代表者の参加に加え、WTTCのグローバルサミットや各地域の見本市、フォーラムなど国際イベントへの相互参加を促進する。さらに、世界・地域の観光動向に関する調査や市場情報、知見の共有、イノベーションやDX、人材育成による競争力向上、各組織の会員ネットワーク強化など、幅広い分野で協力する。政府、観光事業者、地域社会、国際観光機関とも連携し、持続可能で包括的な観光の成長を目指す。

 山北委員長は今後のTEJについて、世界的に見ても大規模なイベントであるとの認識を示したうえで、国際的な観光団体との連携をさらに進める方針を表明。「できる限りのリソースを集結して、より国際競争力のあるイベントに仕立てていく」と述べた。会場外への展開については、イベントが分散するデメリットもあるとして慎重に検討していく考えを示した。

UN Tourism「回復」から「観光が生む価値」へ

 オープニングにはUN Tourismのイオン・ヴィルク氏、WTTCのグロリア・ゲバラ・プレジデント兼CEOも出席した。

 ヴィルク氏は、2022年当時は世界の観光にとって再開や再接続、旅行への信頼回復が主要課題だったと振り返ったうえで、4年後の現在は単に観光を成長させるだけでなく、経済やデスティネーション、そこで暮らす人々や地域社会に「どのような価値を生み出すのか」が問われていると指摘。変化をイノベーションや投資、デスティネーションの強化、公共政策と民間の取り組みを結びつける機会として捉える必要性を強調した。

来賓祝辞を述べるUN Tourismのイオン・ヴィルク氏

 ゲバラ氏は、災害などによる混乱が旅行・観光産業を取り巻く現実の一部となるなか、レジリエンスと官民連携の重要性を強調。日本について、政府と民間が共通のビジョンのもとで協力している点を評価し、WTTCと日本側との連携を通じ、持続的な観光成長につなげる考えを示した。

「人流を止めない」 災害時の旅行業の役割も

 会見では、災害発生時に旅行業界が果たす役割についても言及があった。原会長は、被災地では直接的な被害だけでなく、風評によるキャンセルやその後の予約減少が周辺地域にも広がると指摘。「いかに人流を止めないかっていうのは私たちの仕事」と述べ、需要回復を旅行業界として支えていく考えを示した。

 政府は令和8年熊本地震を受け、九州地方の1泊以上の旅行・宿泊商品を対象とする「九州ふっこう応援割」を10月1日宿泊分から実施する。