ONE-JAPAN観光ファンド、第1号投資先にOcean 11月の免税リファンド方式移行見据え

  • 2026年9月16日

 エイチ・アイ・エス(HIS)、ZUU Funders、日本アジア投資の3社が共同設立した「ONE-JAPAN観光ファンド投資事業有限責任組合」は、第1号投資案件として、リファンド型免税プラットフォーム「Ocean Tax Refund」を展開するOceanに投資した。Oceanが実施したシリーズAラウンドで出資したもので、2026年11月に予定される外国人旅行者向け消費税免税制度のリファンド方式への移行を前に、制度対応とインバウンドマーケティングを支援する同社の成長を後押しする。

 ONE-JAPAN観光ファンドは2025年10月に設立。観光関連の国内未上場企業を主な投資対象とし、テクノロジーによる観光産業の課題解決や生産性、付加価値の向上につながる企業を支援する。資金提供だけでなく、ファンドに参画する各社との事業連携を通じて投資先の成長を支える方針だ。

 Oceanは2024年5月設立。「Ocean Tax Refund」は、訪日客が免税対象商品を購入した後、スマートフォンから返金申請を行える仕組みで、新たなアプリをインストールせず、SNSサービス内のミニプログラムやミニアプリから手続きできる。30以上の通貨に対応するほか、加盟店については初期費用、月額固定費なしで提供するとしている。同社は免税手続きだけでなく、返金後も訪日客との接点を活用し、加盟店への送客や再来店促進などインバウンドマーケティングへの展開を目指す。

 外国人旅行者向け免税制度は11月1日から大きく変わる。現行の購入時に消費税を免除する方式から、いったん税込み価格で販売し、購入日から90日以内の出国時に税関が商品の国外持ち出しを確認した後、消費税相当額を返金する「リファンド方式」へ移行する。国税庁は制度移行に向けたQ&Aなどを順次公表しており、免税店側には販売、データ連携、返金などの新たな運用への対応が求められる。

 Oceanは制度変更を見据えて小売事業者などとの連携を拡大している。これまでにアニメイトやミキハウスLABO、SODAが「Ocean Tax Refund」の導入を決めたほか、ユーシーカードや京都フィナンシャルグループ傘下企業との連携も発表している。

 Oceanが同日発表したシリーズAのファーストクローズには、ONE-JAPAN観光ファンドのほか、既存投資家のZ Venture Capital、デライト・ベンチャーズ、Bluefin Partners、新規投資家のDual Bridge Capitalが参加した。同社は調達資金を新免税制度への対応や加盟店の移行支援に充てるとともに、訪日客の送客や再来店促進を支援するインバウンドマーケティング事業を本格化する方針。発表資料では調達額は明らかにしていない。