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エクスペリサス、AI活用を「個人技」から共有資産へ Claude Code全社導入、業務スキル743件を蓄積

  • 2026年9月13日

 高付加価値な旅行・体験の企画・販売を手掛けるエクスペリサスは、AIエージェント「Claude Code」を全社導入した。社員や業務委託メンバーが業務で見つけたAIの活用方法を「スキル」として共有し、他のメンバーのAIでも同じ手順を実行できる社内基盤を構築。AI活用を個人の習熟度に依存させず、組織全体の業務改善につなげる狙いだ。

 同社は2026年7~8月、社員55人と業務委託メンバーを含む計59人を対象に全社研修を実施した。営業・事業開発、企画・マーケティング、カスタマーサクセス、コーポレート、経営など全部門を対象とし、AIエージェントの基本操作や自部門の業務への適用、スキルの作成・共有方法などを学んだ。

 8月末時点では45人が、AIが読み取って実行できる業務手順にあたる「スキル」を743件、業務別のAIエージェントを127体登録した。登録者の多くは非エンジニア職という。

 仕組みは大きく三つある。まず、特定部門だけでなく全社員がAIを利用できるよう、端末設定や認証、セキュリティを共通化。次に、各社員が業務で効果のあった手順をスキルとして共有基盤に蓄積し、他の社員もAIを通じて再利用できるようにした。さらに、配色や書体、ロゴ、レイアウトなどのデザイン規定をAIが参照・適用できるようにし、資料やランディングページ、バナーなどを作成する際の品質の標準化も図る。

 背景には、旅行・体験商品の造成から手配、販売までを一気通貫で担う同社ならではの業務構造がある。リサーチや資料作成、データ加工、確認作業など、個別にシステム化するほどではない一方、日常的に発生する細かな作業が多い。このため、業務ごとに専用システムを導入するのではなく、社員自身がAIに業務手順を教え、そのノウハウを組織内で共有する方式を採用した。

 研修後の社内アンケートでは、有効回答51人のうち71%にあたる36人が月に数回以上、実際の業務でAIを利用。非エンジニア職では53%が日常的に活用し、そのうち69%が「同じ成果物にかかる時間が半分以下になった」と回答した。また、実務で活用している回答者の72%が、人による確認・チェック作業を自動化または半自動化したとし、50%は従来、他部署やエンジニア、外部パートナーに依頼していた業務を自分で完結できるようになったとしている。調査は8月20~27日に実施し、対象59人のうち51人が回答した。

 具体的には、数日を要していたデータの集計・加工を短時間で終えられるようになったほか、表計算の関数知識がなく他者に依頼していたデータ整理を自ら完結したり、社内チャットに届く業務依頼を自動的にタスク化して対応漏れを防いだりする事例が出ているという。

 今後は、登録したスキルの品質レビューや部門横断での活用事例共有を進めるほか、案件、体験コンテンツ、手配実績などの社内データにAIが安全に接続できる基盤を整備する。定型業務の効率化で生み出した時間を、地域の担い手との関係構築や体験商品の企画・磨き上げなど、人が担う業務へ振り向けていく考えだ。