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HIS、海外旅行減益も4Q反転へ取扱高11.5%増、燃油値下げと中東ツアー再開 ラド観光買収で地方発も強化

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 エイチ・アイ・エス(HIS)の2026年10月期第3四半期累計(2025年11月~26年7月)連結決算は、売上高が前年同期比4.9%増の2793億円となった一方、営業利益は18.1%減の51億3200万円、経常利益は23.8%減の46億500万円となった。主力の旅行事業が、中東情勢の緊迫化に伴う欧州・中近東ツアーの催行中止、円安、燃油サーチャージ高騰の影響を受けた。グアムリーフホテルの土地取得に伴う既存賃貸借契約のリース解約損59億4100万円を特別損失に計上したことなどから、親会社株主に帰属する四半期純損益は49億9000万円の赤字となった。

 旅行事業の売上高は4.3%増の2284億9600万円と増収を確保したものの、営業利益は40.1%減の28億3500万円に落ち込んだ。ホテル事業は売上高が9.5%増の206億3200万円、営業利益が14.6%増の34億1300万円、九州産交グループも売上高6.4%増、営業利益18.3%増と伸び、旅行事業の減益を一部補った。

 特に厳しかったのが5~7月の第3四半期単体だ。連結売上高は1.4%増の861億6700万円だったが、営業損益は13億1500万円の赤字。旅行事業も売上高696億1500万円と前年並みにとどまり、営業損失は19億1200万円と前年同期の8億7500万円から赤字幅が拡大した。

 背景には、日本発海外旅行市場を直撃した複数の逆風がある。中東情勢の緊迫化を受け、ドバイ、ドーハ、アブダビなど中東乗り継ぎ便を利用する欧州・中近東ツアーの不催行が長期化。発表によると、中東情勢に伴うキャンセルの取扱高への影響は第2四半期単体の約50億円から、第3四半期には約90億円まで拡大した。加えて、第3四半期にはユーロが185円台、米ドルが160円台となる円安が定着し、長距離方面の燃油サーチャージも片道最大6万5000円まで上昇した。海外旅行取扱高は第3四半期単体で計画比91.0%、9カ月累計でも93.6%にとどまった。

 HISはアッパー層向けの高付加価値商品や、東アジア、オーストラリア方面を中心としたLCC利用商品の販売を強化して落ち込みを補った。澤田秀太社長は会見で、海外旅行市場について「いかにして力強い需要を創出し、市場を活性化させていくか」を最重要課題と位置づけ、厳しい環境下でも需要喚起を続ける方針を強調した。

9月から予約回復、送客人数の伸びは売上ほど大きくなく

 一方、8~10月の第4四半期については反転の兆しが出ている。HISによると、海外旅行取扱高は前年同期比111.5%で推移している。追い風の一つが9月からの燃油サーチャージ値下げで、欧州・北米などでは片道6万5000円から5万円へ1万5000円低下した。燃油サーチャージのかからない航空会社やオセアニア商品の販売も引き続き強化する。

 もう一つが中東系航空会社を利用するツアーの再開だ。HISは現地視察やサポート体制整備を経て、8月7日出発分から順次催行を再開。中東系航空会社利用商品の取扱高は、第3四半期には前年水準の11.6%まで落ち込んだが、8月33.6%、9月74.5%、10月73.5%まで回復している。欧州、トルコ、エジプトなど高単価商品の正常化を進める。

 高付加価値商品の伸びも鮮明だ。第4四半期の添乗員同行ツアーでは、プレミアムエコノミー・ビジネスクラスの予約が前年同日比126.2%、添乗員ツアー全体の取扱高も121.8%で推移。米国での野球観戦やディズニー関連など、価格だけでなく「体験」を目的とする商品の強化を続ける。

 会見では月別の状況にも言及した。8月は前年を若干下回る水準だったものの、5連休となったシルバーウィークの効果や早期の販促が奏功し、9月は前年を大きく上回った。10月も9月ほどではないものの前年を上回って推移しているという。

 ただし、売上高の伸びと送客人数の伸びには差がある。澤田社長は、燃油サーチャージなどを含め旅行単価が上昇しているため、「売り上げが110%であれば、送客数は5ポイント、10ポイント下」のイメージと説明。8~10月の送客人数は前年並みから若干のプラス程度とみている。つまり足元の取扱高回復には、数量回復だけでなく単価上昇も寄与している。

 利益面では為替対応にも改善がみられる。経理財務本部の花崎理本部長は、2~6月は急激な円安に商品造成時の「企画レート」が追いつかず原価を押し上げたと説明。一方、8月以降は企画レートが実勢に追いつき、「適正な為替のところで値付けができている」とし、原価率が改善しているとの認識を示した。旅行会社にとって、需要そのものに加えて為替変動を販売価格へどこまで迅速に反映できるかが、収益回復のポイントになっている。

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