新しいフィジーの売り方――三世代、教育、アウトドア、旅行会社と拓く日本市場 パレシュ・パントCEOに聞く
フィジー政府観光局が、日本市場の再成長に向けた取り組みを加速している。2026年4月には日本市場の代表体制を刷新し、日本人渡航者数も足元では回復基調にある。9月には旅行会社向けオンライン学習プログラム「Fiji Matai Specialist Training Programme」の日本語版も始動した。
来日したフィジー政府観光局(Tourism Fiji)最高経営責任者(CEO)のパレシュ・パント氏に、フィジー観光の成長戦略と日本市場の可能性、そして旅行会社に期待する役割を聞いた。
「数のための成長」ではなく、意味のある観光を
パレシュ・パント氏(以下、敬称略) 2025年のフィジーへの訪問者数は98万6367人となり、過去最高を記録しました。2026年も非常に好調で、7月には月間の訪問者数が初めて10万人を超え、10万5791人に達しています。
ただ、私が戦略を考えるうえで意識してきたのは、成長を「意味のあるもの」にすることです。単に数字のために訪問者数を増やすのではなく、旅行者が楽しみ、体験できるものにしたいと考えています。
その一つが、旅行者に「家族の一員」のように感じてもらうことです。ホテルに到着し、滞在して帰るだけではなく、そこに交流がある。フィジー人は温かさやフレンドリーさ、ホスピタリティで知られています。私たちは人を迎え、自分たちの文化を共有するだけでなく、相手について知ることも好きなのです。
「Fiji, where happiness comes naturally(幸せが自然に生まれる場所)」も、単なるスローガンではありません。フィジーの人々が日々実践していることを表しています。フィジーにとって観光は最大の収益源です。だからこそ、旅行者にとっても、地元の人々にとっても良いものでなければならない。それが私たちの進もうとしている方向です。
かつて4万人だった日本市場、再成長へ
パント 1990年代には、年間約4万人の日本人がフィジーを訪れていました。その後、他の市場がより大きく成長しましたが、今回私が日本を訪れた理由の一つは、旅行業界やインフルエンサー、消費者の皆さんに、日本市場を再び成長させることに明確な意思を持って取り組んでいると示すためです。
4月には日本で新しいチームが始動しました。旅行業界向けと消費者向けの両方にフォーカスした体制です。日本からの訪問者数は2024年に9474人でしたが、2025年には8630人に減少しました。そこで、フィジーというデスティネーションの価値を理解し、旅行業界と消費者の双方から信頼される代表者が必要だと考えました。
すでに成果も表れています。今年7月の日本人訪問者数は932人と、前年同月から約30%増加しました。今年は1万人には比較的容易に到達すると見ています。今後の目標としては、約1万4000人を掲げています。
パント 訪問者数は航空座席の供給に左右されます。現在、日本からフィジーへの直行便を運航しているのはフィジー・エアウェイズのみで、週2便です。
12月から1月にかけては季節的に週3便となる予定です。これはフィジー・エアウェイズも、私たちが共同で進めている取り組みに信頼を示してくれているということです。
理想を言えば、少なくとも週3便を通年化したい。そうなれば、短期、中期、長期と、旅行者が滞在日数をより柔軟に選べるようになります。
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