エアトリ、ハワイ事業を再構築 現地衣装会社を子会社化、旅行・物販・体験を一体展開へ
エアトリは、ハワイ・ホノルルでハワイアン衣装やウェディング衣装の製造、販売、レンタルを手掛けるMuumuu Rainbow Fashion LLCを子会社化し、新たに「エアトリハワイ事業」を開始する。旅行商品の販売にとどまらず、現地での物販やレンタル、体験サービスなどを組み合わせ、ハワイでの事業展開を広げる。同社は今回の事業を「エアトリ経済圏」の23番目の事業と位置付けている。
買収は、エアトリの100%子会社でホノルルに拠点を置くFirstwise Communication Inc.を通じて実施する。Muumuu Rainbow Fashionは、ハワイアン衣装ブランド「Princess Kaiulani Fashions」の製造、ワイキキの店舗「Muumuu Mall」での小売・体験サービス、日本人旅行者などを対象とした「Muumuu Rainbow」や「Lidia Hawaii」での衣装レンタルを展開している。
衣装レンタルでは、ハワイウェディングの参列者向け衣装のほか、ウェディングドレス、タキシードなどを取り扱い、ヘアメイクやリムジン送迎、撮影といった周辺サービスも提供する。エアトリは、こうした現地の店舗・サービス基盤やローカルネットワークと、自社の顧客基盤、マーケティング、システム開発力を組み合わせ、新たな商品やサービス、体験の開発につなげる考えだ。
エアトリによるハワイ関連のM&Aは、2019年にハワイ旅行専門ブランド「ファーストワイズ」を展開するセブンフォーセブンエンタープライズを子会社化して以来2件目となる。当時はハワイを足掛かりとして中長距離の海外ツアーを拡大するとともに、現地ラウンジなどを含む事業展開を構想していた。2023年にはエアトリハワイをエアトリインターナショナルに統合し、さらに2024年にはエアトリインターナショナルをエアトリ本体に合併している。
今回の発表で注目されるのは、エアトリがMuumuu Rainbow Fashionを「エアトリハワイ事業」の中核会社と位置付け、「ハワイでの旅行業についても、再構築し取り組む」としている点だ。航空券やツアーなど出発前の旅行販売だけでなく、旅行者が現地で購入する商品、レンタル、ウェディング、撮影、文化体験などに接点を広げることで、旅行前から旅行中までの消費を取り込む事業モデルを構築できるかが焦点となる。
ハワイ市場では、日本人旅行者の回復が続く一方、コスト高や航空供給などの課題も残る。ハワイ州政府によると、2026年1~6月の日本からの訪問者数は33万9588人で前年同期比6.3%増、消費額は4億9520万ドルで5.3%増となった。一方、6月単月では訪問者数が前年同月比4.2%減、日本発の航空座席数も7.6%減少した。
こうした環境下で、旅行者数の拡大だけでなく、一人の旅行者との接点や現地での消費機会をどこまで増やせるかは旅行事業者にとって重要なテーマになる。エアトリが衣装、ウェディング、物販、体験と旅行販売をどのように結び付けるのか、「エアトリハワイ事業」の具体的な商品・販売戦略が今後の注目点となりそうだ。
なお、今回の子会社化による今期のエアトリグループ業績への影響は軽微としている。

