JR4社・JAL、巡礼文化軸に新たなインバウンド広域観光、鉄道・航空で3地域を周遊
JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国とJALは2026年7月30日、出羽三山、世界遺産・熊野古道、四国遍路を軸に、訪日旅行者を対象とした広域観光の取り組みを開始した。巡礼や精神文化を共通テーマに、航空と鉄道を組み合わせた広域周遊を促進し、大都市圏に集中するインバウンド需要の地方分散と高付加価値化を図る。今後は旅行会社と連携し、国内航空路線とJR各社の鉄道を組み合わせたオリジナル旅行商品の造成・販売も進める。
今回対象となるのは、山岳信仰と「生まれかわりの旅」で知られる出羽三山、世界文化遺産の巡礼路である熊野古道、88カ所の札所を巡る約1200kmの四国遍路の3地域だ。長期滞在や複数回の訪日につながるテーマとして一体的に発信し、地方への送客と地域経済への波及を狙う。
訪日客向け特設ページも公開した。9~10月頃には地域関係者も参加するワークショップを実施し、外国人クリエイターやコピーライターを起用して3地域共通のブランディングを策定する。策定後は海外メディアやWeb広告を活用したプロモーションを順次展開するほか、11月頃から3地域で駅スタンプアプリ「エキタグ」の多言語版を展開し、周遊実績のデータを今後の施策にも活用する。
各地域では具体的な旅行メニューも用意する。出羽三山では仙台駅と羽黒山頂を結ぶ定期観光バスや特別記念品、熊野古道では青岸渡寺での特別体験や手荷物配送サービス、JAL羽田―南紀白浜線利用の訪日客を対象とする「WEST QR 関西・南紀エリアパス」などを展開する。四国では2026年8月下旬から、JR高松駅または高松空港発着の英語ガイド付き「四国・香川のお遍路タクシー2泊3日の旅」を販売する予定だ。
取り組みは中長期で継続し、旅行会社との連携による航空と鉄道を組み合わせたオリジナル旅行商品の造成・販売を進める。将来的にはチャーター便を活用した商品造成も視野に入れ、鉄道と航空をシームレスにつなぐ移動環境や手荷物サービスの拡充も検討するという。