JATAと韓国観光公社、訪韓送客を拡大 旅行会社経由の企画商品が21%増

  • 2026年7月23日

 日本旅行業協会(JATA)と韓国観光公社は7月23日、2026年度の訪韓旅行拡大に向けた共同施策を発表した。2026年1~6月の日本から韓国への旅行者数が前年同期比120.4%となるなか、主要旅行会社9社の企画商品も121%に伸び、市場全体と同水準以上の回復を示した。新たに選定した「韓国小都市30選」や地方イベント、商品コンテストを通じ、旅行会社経由の予約拡大とソウル以外への送客を進める。

 JOTC東アジア部会韓国ワーキンググループ座長で、日本旅行ツーリズム事業本部海外旅行事業部長の本多寿彦氏は、旅行会社経由の訪韓旅行が回復している状況を説明した。日本から韓国への旅行者数は2025年に過去最高の約365万人を記録したが、主要旅行会社9社の企画商品は前年実績を下回り、市場の拡大が旅行会社の取り扱い増に結び付いていなかった。

 これに対し、2026年1~6月の主要9社の企画商品は前年同期比121%となり、韓国方面全体の120.4%をわずかに上回った。本多氏は「我々、韓国ワーキング等の取り組みが実を結んでいると願いたい」と述べ、共同施策の効果に期待を示した。

 本多氏は、韓国が「旅行会社離れが進んでいるデスティネーションの一つ」であるとし、「いかに我々旅行会社を通してご予約いただくか」が引き続き課題だと説明した。地方素材の開発や商品コンテストなど、旅行会社ならではの企画力を生かした商品造成が、取り扱い拡大の鍵となる。

 もう一つの課題がソウルへの集中。外国人旅行者のソウル訪問率は76.8%に上り、本多氏は「ソウルへの一極集中をいかに地方分散させられるか」が重要になると指摘した。

 この課題に対応する新施策として、両者は韓国の地方小都市での街歩きをテーマにした「韓国小都市30選」を選定した。歴史、文化、自然、食、地域住民の暮らしなどを楽しめる地方都市を取り上げ、既存のソウルや釜山を中心とする商品との差別化につなげる。仙台、福岡、大阪、名古屋、札幌などで説明会を開き、認知向上と商品造成を促進する。2027年度以降は商品コンテストなどを含む本格的な施策展開を予定する。

 地方イベントでは、慶尚南道咸安郡の無尽亭で10月15日に「咸安の落火ノリ」ジャパンデーを開催する。火の粉が水面に降り注ぐ伝統行事を日本人向けに観覧できる企画で、2024年の約500人、2025年の1000人から規模を拡大し、2026年は1500人の送客を目指す。7月15日時点で36社が参画しており、韓国観光公社は10人以上の団体に対する販促支援も用意すると説明した。

 このほか、「韓国絶景30選」と「韓国絶品グルメ30選」を組み込んだ企画商品のコンテストを継続する。7月15日時点で11社16部署が参加している。団体営業担当者を対象とする「韓国営業王」では、送客数に加え、地方都市への宿泊や対象素材を活用した商品提案など、団体送客拡大に向けた取り組み内容も評価する。積極的に販売した支店や組織を表彰する枠も新設した。

 韓国観光公社の鄭槿喜日本地域センター長兼東京支社長は、地方空港を活用した旅行商品の造成や共同プロモーションを強化する方針を示し、「都市と都市を結ぶ観光から、地域と地域をつなぐ観光へ」と述べた。