豪・アデレードで商談会「ATE26」開幕、TAが描く2035年への成長戦略とは
2035年目標は最大690億ドル、国際線440万席増へ
TAでは現在、「すべての旅行者が夢見る第一のデスティネーションとなり、最終的に選ばれる場所になること」のミッションとともに、2035年を目標年度とする「ツーリズム2035」戦略を遂行中。具体的には、2025年に330億ドル規模だったレジャー、ワーキングホリデー、ビジネスイベントの各セグメントの消費額を2035年には610億ドルから690億ドルの規模へと大きな伸長をめざしている。
マック氏によるとターゲットは従来同様「ハイイールドトラベラー」で、必ずしも富裕層ばかりを指すものではなく、引き続き体験を重視して消費を惜しまないレジャー、滞在期間が長く結果として消費額も大きくなるワーキングホリデー、そしてビジネスイベントの3部門に力を入れていく。また航空座席についても、目標達成に向けて国際線で年間440万席の増加をめざす。
中間目標は2028年の410億ドルから430億ドルで、現在の主要市場のほかASEAN各国やインドなどに大きな成長余力を見ているとのこと。日本も引き続き重点市場として期待しているとした。
AIによる検索対策、ラグジュアリー強化、先住民文化-TAが掲げる重点領域
また、2035年までの10年間で旅行需要に影響を及ぼすトレンドとして「“アジアの世紀”の継続」、「ハイイールドトラベラーの獲得競争」「ボラティリティの時代(政治・気候の両面で)」、「アテンション・フラグメンテーション(マーケティングで突き抜けるための課題)、「購買経路の多様化」、「長距離運航可能な単通路機材の導入などによる新たな航空路線網の可能性」、「ラグビーワールドカップやオリンピックなど主要イベントの開催」「Travel for Good(旅行におけるエシカル消費)の浸透」などを列挙。
TAにおける4つの重点優先領域として、「消費者の心をつかむだけでなくAI時代においてデスティネーションとして検索の上位に居続ける」こと、「フード&ワインなどオーストラリアの傑出した多様性を発信し続け訪問前から認知してもらえるようにする」こと、そして主要イベントの最大活用、ラグジュアリー旅行者層への取り組み深化を挙げた。
また、「Travel for Good」関連でも業界を挙げて持続可能性の向上を推進していくほか、先住民体験も引き続き強化。マック氏は開会式の挨拶でも先住民文化への思いにも触れ、「アデレード平原で長く暮らしてきたガルナ(※Kaurna、日本語表記は「カウルナ」が多いが実際の発音はガルナまたはガーナ)の人々に敬意を表する」「(アボリジナルの)文化は世界最古の生きた文化であり、オーストラリア政府観光局の全員がその文化を世界と共有できることを誇りに思っている」とコメント。先住民文化に関連するアクティビティは年を重ねるごとに充実しており、TAや州政府観光局でも今後ますます積極的にマーケティングに力を入れていくことが予想される。

