HIS、初のグループ合同入社式を開催 「旅行の枠超える成長」掲げる
HISグループは4月2日、東京ビッグサイトで2026年度入社式を開催し、グループ7社で計522名の新入社員を迎えた。これまで各社単独での開催実績はあるものの、合同形式での入社式は初となった。
内訳はエイチ・アイ・エス431名、H.I.S.ホテルホールディングス43名、九州産業交通ホールディングス36名、クルーズプラネット4名、エイチ・エス損害保険4名、ラグーナテンボス3名、エイチ・アイ・エス沖縄1名となっている。
入社式では各社代表による挨拶が行われ、エイチ・アイ・エスの新入社員代表、伊藤大翔氏は「旅の経験が新たな挑戦を生み、人生を切り開く」と述べ、修学旅行での体験を原点に地方創生への関心を深めた経緯を紹介した。そのうえで「原点である教育旅行で、学生たちの価値観を変え、人生の新しい扉を開くきっかけとなる旅を提供したい」と意欲を示した。
そのほかの代表挨拶でも、海外経験や地域志向を背景に、クルーズ需要の拡大や空港での顧客接点強化、観光施設での体験価値向上など、それぞれの事業領域に応じた成長意欲が示された。グループの多角化を反映し、旅行単体にとどまらない幅広い領域での価値創出への意識がうかがえる内容となった。
矢田素史会長は、2022年に策定したパーパス「心躍るを解き放つ」を軸に、旅行事業の枠を超えた事業展開を強調。ホテルやテーマパークとの連携、地域との共創、顧客データ活用など、グループ横断での価値創出を進めているとし、「会社や部署の枠を超えてつながり、新たな価値を生み出してほしい」と呼びかけた。
澤田秀太社長は中期経営計画に触れ、AIと人の協業を軸に2030年に向けてコロナ前の最高業績を大きく上回る成長を目指す方針を示した。新入社員に対しては「最初の数年で営業の基礎を徹底的に身につけることが重要」とし、スピード、挑戦、変化、サプライズ、イノベーションを意識した行動を求めた。
今回の合同入社式は、グループの結束強化に加え、人材を横断的に活用する経営への転換を象徴する取り組みといえる。旅行領域に留まらない事業展開を進める中で、新卒人材の育成が今後の成長を左右する重要な要素となりそうだ。


