日本バス協会清水会長、中東情勢による燃料供給不安に対応訴え 旅客税の活用にも言及
清水一郎会長
日本バス協会は3月18日、通常理事会を開催し、2026年度事業計画などを承認した。清水一郎会長は燃料価格高騰と供給不安に強い懸念を示すとともに、暫定税率廃止後の制度設計や人材確保、観光における二次交通の重要性について言及した。
理事会では2026年度の事業計画および収支予算などが承認され、業界として人材確保、DX推進、自動運転、EVバス導入などを重点課題として取り組む方針が示された。
清水会長は冒頭挨拶で、足元の経営環境について燃料問題に関するリスクを強調した。軽油の暫定税率については4月から廃止に向けた動きが進む一方、事業者支援としての運輸事業振興助成交付金は5年間の延長見込みとなっていると説明した。そのうえで、中東情勢の影響により燃料価格のみならず供給面でも不安が広がっていると指摘し、「供給不足で公共交通が止まる事態は避けなければならない」と述べ、政府に対し安定供給と価格抑制を求める考えを示した。
実際に協会としても燃料確保に関する緊急要望を取りまとめ、関係省庁や与党に働きかけを行う方針である。現場では供給制限なども出始めており、事業継続リスクが顕在化しているという。
人手不足も引き続き深刻で、特に運転者不足への対応として特定技能制度による外国人材の受け入れ要件が緩和される。日本語能力要件は従来のN3からN4へと引き下げられ、4月以降の運用開始が見込まれる。賃上げによる国内人材確保と併せて、制度活用の拡大が焦点となる。
また、観光分野との関係では、インバウンド回復に伴い「二次交通の不足」が課題として浮上している。訪日客が主要都市から地方観光地へ移動する手段の確保が不十分なケースが多く、バスの役割は一層重要になっている。清水会長は、今後拡充が見込まれる国際観光旅客税の使途について、「公共交通や二次交通の充実に充てるべき」との考えを示し、財源の有効活用を求めていく姿勢を明らかにした。
このほか、EVバス導入を巡っては補助制度の維持を要望したほか、自動運転の社会実装に向けた支援強化も求めた。業界としては人材、燃料、技術の各課題に同時に対応しながら、地域交通と観光基盤の維持に取り組む必要があるとの認識で一致した。
