ベルトラ、5期ぶり通期営業黒字を達成 構造改革が結実
現地体験型オプショナルツアー専門予約サイト「VELTRA」を運営するベルトラは、2025年12月期連結決算で営業収益45.8億円、営業利益1.05億円を計上し、5期ぶりの通期営業黒字を達成した。規模拡大路線から収益性重視へと経営方針を転換した構造改革の成果が顕在化した。
同社は2025年度、経営の優先順位を「規模」から「収益性と組織効率」へ意図的にシフトした。増収を確保しながら営業費用を前年比0.1%減と前年同水準に抑制し、コスト構造の適正化を進めたことが黒字化の主因となった。特にOTA事業では営業費用を前年比11.6%削減し、全体の利益改善を牽引した。
セグメント別では、OTA事業を「利益エンジン」と位置付け、集中と選択を徹底した結果、営業利益率は前年の13%から24%へ大幅に改善した。競争が激化する体験市場において、規模追求から効率重視へ転換した戦略が奏功した。組織面ではグループ全体で7%、単体で11%の人員適正化を実施し、職能横断型の自律型組織モデルへの移行も開始した。スリム化と意思決定の迅速化を通じ、営業レバレッジが効く体質への転換を図っている。
一方、観光ITのリンクティビティ事業は「成長エンジン」として拡大を継続している。新規大型契約の獲得により売上高は8.9億円と前年比24%増となった。交通機関などとのシステム連携が進み、インバウンド観光を支える基盤インフラとしての位置付けを強めている。
2026年12月期は営業収益50億円、営業利益3.8億円を見込む。売上は安定成長を維持しつつ、構造改革効果の通年寄与により大幅な増益を計画する。創出キャッシュを重点領域へ再投資し、利益が成長を生む循環を確立する方針だ。中期経営計画は一時的に取り下げ、実効性と柔軟性を重視した経営へシフトすることで、市場環境の変化に即応する体制を整える。
代表取締役社長兼CEOの二木渉氏は「2025年度は規律ある再構築を完遂し、戦略に基づいた意図した成果として黒字化を実現できた。利益を生むOTAと成長を牽引するリンクティビティという明確な役割分担により、拡張可能な成長基盤は整った。この強固な土台の上で、さらなる企業価値向上に邁進していく」とコメントしている。