「APPLE WORLD」「Rikisha」運営のアップルワールド、東南アジアのホテル卸売企業を買収
じげん傘下のアップルワールドは、シンガポールを拠点に東南アジアでホテル卸売(ベッドバンク)事業を展開するQuantum Reservationの全株式を取得し、完全子会社化する。
今回の取得対象であるQuantumは、シンガポールなど東南アジアを中心に、旅行会社向けのホテル卸売事業を手掛け、同地域のホテルとの直接取引や旅行会社の顧客基盤を持つ。アップルワールドは同社を完全子会社化することで、東南アジアにおけるホテル供給基盤を自社グループ内に取り込み、仕入れ構造の最適化や中長期的な収益性向上を目指す。
今回の買収により、同社は東南アジアにおけるホテル開拓力や現地ネットワークの強化を進める。じげんグループとしては、累計34件目となるM&Aの中でも初の完全なグローバルM&Aと位置付けており、今後の海外展開やM&A戦略の試金石となる。
取得価額は株式取得価額がSGD300,000(約3600万円)で、アドバイザリー費用などを含む合計はSGD305,700(約3700万円)。契約締結は2025年12月17日、株式譲渡実行日は同年12月30日を予定する。資金は手元資金で充当し、財務状況への影響はないとしている。
同社は日本人出国者数が回復基調にある一方、2019年比では完全回復に至っていない点を挙げ、今後も海外渡航需要は緩やかに拡大すると見込む。アップルワールドは、旅行会社向けにホテル手配サービスを提供しており、予約サイト「APPLE WORLD」や「Rikisha」などを展開している。なお、本件による2026年3月期の連結業績への影響は精査中としている。