世界の観光都市ランキング2025、東京3位を維持 大阪・京都も上位入りで日本存在感

  • 2025年12月7日

 ユーロモニターの「Top 100 City Destinations Index 2025」が公表され、パリが5年連続で総合1位、東京は前年に続き3位を維持した。大阪は11位、京都は19位と順位を上げ、日本はトップ20に3都市を擁する唯一の国となった。

 同指数は経済・ビジネス実績、観光パフォーマンス、政策・魅力度、インフラ、衛生・安全、持続可能性の六分野、計55指標で観光都市としての魅力を100都市から比較したもの。欧州は上位10都市中6都市を占め、アジアは東京に加えシンガポール、ソウルが入った。

 日本勢では大阪が11位、京都が19位といずれも前年から上昇し、札幌50位、福岡64位となった。トップ20に3都市を抱えるのは日本のみ。

 需要面では2025年の世界の海外旅行者数が4%増と堅調で、2030年には海外・国内の旅行支出が6.7兆米ドルへ拡大する見通しである。同レポートをまとめたナデジャ・ポポバ氏は、逆風下でも都市が柔軟に対応し魅力的な体験を提供している点を強調している。

 渡航実績の指標では、目的地別海外旅行者数でバンコクが3030万人で首位を維持し、東京は前年比12%増で11位、大阪は37%増で13位となった。

 評価の内訳では、日本の三都市は観光インフラと衛生・安全で高得点だが、持続可能性分野では後れを取る。欧州ではマドリッドやパルマ・デ・マヨルカ、バレンシア、セビリアが環境施策を牽引し、北欧のヘルシンキやオスロも先進事例として注目される。

 技術面ではAIの導入が観光管理と体験を変革し、ニューヨークのスマートシティ、バンコクのデジタル入国カード、アブダビのAI活用サービスなどが進む。総じて、2025年の都市観光は投資とイノベーション、AIの普及を背景に転換点を迎えている。