令和トラベル受田氏に聞く、国内参入の真意とインバウンド接続のロードマップ
受田 「NEWT Wonder」は、単なる販売促進企画ではなく、NEWTというブランドを選ぶきっかけを生み出すための取り組みでもあります。キーオピニオンリーダーとともに地域を訪れ、その土地の魅力を深く掘り下げながら紹介しています。
ホテル単体の販売では、既存OTAとの競合が避けられず、価格中心の競争に陥りやすい状況です。NEWTが目指すのは、その構造から一歩踏み出して、予約から体験までをコーディネートすることで、旅そのものの価値を高めること。こうした企画は短期的に大きな売上を生むものではないですが、地域や宿泊施設のファンを育て、結果的に持続的な送客につながります。大手が手を出しづらい領域でこそ、NEWTのような新しいOTAが果たせる役割があると考えています。
受田 マクロでは人口減少の影響もあり、総需要は微減のシナリオを見ています。一方で当社の基盤には"旅が好きな"層が多く、海外に年1回行くお客様の中間ニーズを国内で受け止める余地が大きいです。首都圏を中心に近場・中距離の回遊を増やし、海外ツアーで貯めたポイントを国内で使える導線を磨いて、往復の循環を強めていく。また、年齢ポートフォリオも広がっており、ハワイや欧州の強化で40〜50代の流入が増えるなど、客層の厚みも増しています。
受田 ホテル単体に加え、航空券セットのダイナミックパッケージ、さらにパッケージツアーも視野に入れています。特に、韓国や台湾ではパッケージツアーの利用が一定あると聞いてますので、訪日需要も見込んでツアーのラインナップは広げていければと考えています。
受田 今年7月に韓国法人を立ち上げましたが、第1フェーズは現地ホテルの直接取引を拡大し、アウトバウンドの商品力を高めていきます。そして、第2フェーズでインバウンドを取りにいく。多言語対応は早ければ今期中に進め、韓国を皮切りに台湾・香港・シンガポール・バンコクなど東アジアでの拠点化も検討しています。各国のチャネルマネージャー事情を踏まえて、開発順序と出店エリアをセットで最適化するのが現実的なアプローチかなと思います。