【インタビュー】探検クルーズHXが描くアジア戦略、分社化を機に日本と旅行会社との連携深化を強調

  • 2025年6月22日
-アジア市場の位置づけはどのように考えていますか。

ゾウ アジアは現在、全乗客の約12%を占める成長市場で、特に日本と台湾を重要地域としています。今後3年間でアジアの乗客数を年間25%のペースで伸ばす計画です。2025年には販売ネットワークの再構築に加え、地域オフィスの設置や旅行会社向けファムトリップの拡充も視野に入れています。

-アジア市場における販売チャネルと実績についても教えてください。

久野健吾氏(以下敬称略) 販売は代理店PSA(Preferred Sales Agent)を中心に展開しており、日本では現在8社と契約しています。その中にはプレミアムやラグジュアリー系の旅行会社やクルーズ専門会社も含まれます。2024年にはアジア市場全体で二桁成長を記録しており、特に南極、北極、ガラパゴスが人気です。日本においても今シーズンの南極クルーズでは、複数の旅行会社から過去最多の合計100名様以上のご予約をいただいています。

-アジアの旅行者は欧米市場と比べてどのような特徴がありますか。

ゾウ 欧米市場では個人旅行(FIT)が主流ですが、アジアでは構造化された体験や、言語・文化への配慮が重要です。教育的要素の高いコンテンツや、日本語対応スタッフ、快適な設備、食事へのこだわりも求められます。そうした需要に応じた船内環境の整備を進めています。

-旅行会社がHX商品を提案する際、どのような顧客層が適していると考えますか。

久野 プレミアム層を中心に、富裕層でユニークな体験を求める方々、写真家や動物好きの探検志向の方、教育性と快適さを両立した旅を求めるシニア層、また家族で"今しか行けない"目的地を共有したい方々が理想です。サステナビリティや科学に関心のある層とも非常に相性が良いと思います。

 また、今後は少し長めの探検クルーズも提案していけたらと考えています。

-今後の販売促進や旅行会社との連携についてはどうお考えですか。

久野 B2B及び、B2Cパートナー共に我々にとって必要不可欠です。HXパートナーポータルサイトにより、リアルタイムの空室情報、販促素材、セールスツールを提供しています。その他、共同販促セミナーやキャンペーンや販売インセンティブ、また、台湾と協力して独占的なブロック枠の設定などを通じて、持続可能なパートナーシップを築きたいと考えています。

-ありがとうございました。