アメリカ建国250周年に向け注目の新施設とホテルが続々

2026年の建国250周年を見据え、観光施設やホテルの新設・改修、移動手段の整備を加速する米国。ブランドUSAがこの夏から2026年にかけて新たにオープン予定の観光施設や宿泊施設、交通インフラの整備状況を公表した。
レジャー施設では、バージニア州バージニアビーチに開業予定の都市型複合施設「アトランティック・パーク」が注目。音楽・スポーツ・カルチャーをの楽しめる次世代型施設で、約470億円を投じた開発プロジェクトの目玉として、本格的な人工サーフ施設や収容人数5000人規模の開閉式エンタメスペース「ザ・ドーム」が設けられる。
同様に自然派の旅行者の関心を集めるのが、テネシー州に誕生したジップライン施設「メガジップ」。グレートスモーキー山脈を背景に、標高差300メートルを最大時速90キロで滑走するアクティビティは、4本の並列ラインを擁し家族やグループ旅行向けにも有効だ。また、ニューヨーク州レイクプラシッドでは鉄道路線跡を活用した全長約55キロの「アディロンダック・レール・トレイル」が整備され、サイクリングやハイキングなどを楽しめるアクティブな観光地として注目されている。
宿泊面では、サステナブルをキーワードにしたホテル開業が相次いでいる。テネシー州ナッシュビルに開業する「ザ・プリンティング・ハウス」は、LEED認証を取得した環境配慮型ホテルで、かつての印刷工場を再開発した独自のデザインが特徴的。シアトルではカーボン・ポジティブ・ホテルとして全米2軒目となる「ポピュラス・シアトル」が開業し、環境負荷を超えて温室効果ガスを吸収する次世代型施設として話題を呼んでいる。
歴史あるホテルの再生事例も増えている。ニューヨークでは「ウォルドルフ・アストリア」が約6年の改修を経て今春再開し、アールデコ様式の意匠を残しつつ最新設備を導入。サンディエゴの「ホテル・デル・コロナド」では全面改装が6月に完了予定で、高級和食「Nobu」ブランドのレストランも館内に新設される。
さらに、ホテル単体でユニークなテーマを掲げる施設も登場している。デンバーでは80〜90年代のポップカルチャーを体験できる「ザ・カーティス・ホテル」が7月に再オープンする予定で、カリフォルニア州パソ・ロブレスでは地域のワイン文化を反映した「ザ・アヴァ・ホテル」がこちらも7月に開業する。
移動手段の面では、空港アクセスや鉄道網の整備も進んでいる。ロサンゼルス国際空港では「LAX/メトロ・トランジットセンター」が今月開業予定で、この新駅はメトロのKラインとCラインを結ぶことで接続性が大幅に向上する。南部ではアムトラックによる新路線「マルディグラ・サービス」が今夏開通し、ニューオーリンズからアラバマ州モービルを結びつつ、他の長距離列車とも同日接続が可能となる。
ラグジュアリーな長距離旅行者向けには、アメリカン・クルーズ・ラインズが2026年から建国250周年を記念した全州横断の50日超えクルーズを実施予定であり、ゆったりとした周遊型の米国旅行を実現する。