JTB高橋社長、五輪後の目玉は「TaaS」、需要の創出がカギ-新春インタビュー

一番の成長分野は法人事業
グローバル事業でめざすB2B

  • 2020年1月7日(火)
JTB代表取締役社長執行役員の高橋広行氏(高ははしご高)

 「第3の創業」を掲げ、旅行事業からソリューション事業へとビジネスの軸足を移そうとするJTB。海外老舗旅行会社の代名詞でもあったトーマス・クックすら破綻する現代において、JTBが進める経営改革の現状と見えてきた可能性とは――。2020年を迎えるにあたり、JTB代表取締役社長執行役員の高橋広行氏(高ははしご高)に聞いた。

-まずは19年の振り返りから

高橋広行氏(以下敬称略) 19年はグローバルMICEの年と言ってきたが、大阪でのG20、横浜のアフリカ開発会議、天皇陛下の即位式典、ラグビーW杯と、大規模会議やイベントが目白押しだった。その直接効果はもちろん、日本の魅力、地方の魅力を世界に発信できたことも大きかった。

 一方、ネガティブ要素だったのは今年も自然災害だ。10月の台風は団体旅行の最盛期を直撃し大きな影響を及ぼした。今後は、これまでになかったような自然災害を前提に減災や安心安全の確保を考えていく必要があると痛感させられた。

 またリアルエージェントの象徴的な存在だったトーマス・クックの破綻はショッキングだった。対岸の火事ではなく他山の石とすべき出来事だ。同社の破綻は我々も直面する課題そのものが引き金となったと見ていて、重く受け止めている。

-トーマス・クック破綻はデジタル対応の失敗が一因とされていますが、JTBの状況は

高橋 リアルエージェントも、この時代にウェブ販売をしない選択肢はあり得ない。店舗とウェブとの適正なバランスが待ったなしの課題だ。「デジタルとヒューマンタッチの融合」によって「ならでは」の価値を作り上げることが今回の経営改革の肝でもある。

 ウェブは明確にシステムとテクノロジーが勝負を分ける世界で、自前主義には限界がある。JTBも、外部にある高度なテクノロジーや知見を導入していくことにした。業務提携したアゴダとの連携強化もそのためだ。アゴダが持つ優れたテクノロジーを導入し、「るるぶトラベル」「JAPANiCAN」の2サイトを19年12月より順次刷新している。

-ヒューマンタッチといえば、店頭での相談料収受の試みを断念されました

高橋 今は止めているが断念ではなくトライアルの中断だと考えている。相談料は、旅行業法上もサービスの対価として収受が認められているものだ。それでも中断した最大の理由は、「それならJTBには行かない」という方が相当数いたこと。トライアルでは来店客が極端に減少してしまった。日本ではまだ「サービスは無料」という文化が根強く、目に見えない情報提供やコンサルで対価を収受できる環境にはなかった。

 しかし諦めたわけではない。JTBの店舗に行けば、インターネットでは得られない特別なサービスや情報が得られると評価されるようにしていかねばならない。

-20年の期待と展望をお聞かせください

高橋 就任以来、20年までの期間は「黄金の時間」と言ってきたが、いよいよそのハイライトとなる。日本全体がオリンピック・パラリンピック一色となり、国内外からの観戦需要が増大するはずだ。出控えが懸念された海外旅行も、予約状況を見る限り期間中はその傾向があるものの、前後も含めた全体の大きな流れにおいては決して悪くない。

 一方、米中関係はリスクだ。問題が長期化、深刻化すれば影響は避けられない。業務渡航では一部ですでに出張が抑制されたり、フライトの利用クラスが下げられるなど影響が出始めている。日韓関係や香港問題、中東情勢も懸念材料であり、これらのリスクも想定しておく必要がある。

 またポスト五輪で、21年以降が“祭りの後”になってしまわないよう仕掛けていくことが重要だ。

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