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アクセスランキング、1位は旅博・旅フェア統合、業法議論も

[総評] 今週の1位は、日本観光振興協会の旅フェア日本と日本旅行業協会(JATA)のJATA旅博が2014年に統合することをお伝えした記事でした。新イベントの名称は「ツーリズムEXPOジャパン」で、日本だけでなくアジアを代表する旅の祭典をめざすことになります。

 これまでJATA旅博といえば海外旅行、旅フェア日本は国内旅行という特徴があったわけですが、両者が融合しさらに訪日旅行も取り込んで、いわば「三位一体」のイベントとなります。ITBベルリン、WTMロンドンに肩を並べる規模が実現するということで、会場の賑わいも相当なものになるはずです。

 海外、国内、訪日、そして業界、消費者とあまり多方面に手を広げてしまうと、焦点がぼやけてイベントとしてのまとまりが欠けてしまうことが懸念されますが、まだ「ツーリズムEXPOジャパン」の詳細も決まっていない段階ですし、まずはこれからの検討状況を注視していくことになるでしょう。

 また、もう一つ注目したい点は、観光庁による訪日旅行の商談会「VISIT JAPAN Travel Mart 2013」など、関連するその他のイベントとの関係です。一つになっていくべきなのか、連携にとどめるのか、あるいはまったく別個に運営するのか、それぞれメリット、デメリットがあるはずで、関係者がどのような判断が下すのか気になるところです。

 加えて、会場がどのように作られるかも興味が尽きません。個人的には、今年のJATA旅博でもかなりの広さで足が棒のようになってしまいましたので、さらに規模が拡大して今のトラベルビジョンの人員では取材がまったく行き届かなくなってしまうことを想像すると今から戦々恐々とした気分でいます。

 さて、今週のランキングはこのほか、旅行業に関する話題が多く入りました。航空系のニュースが少なかったことが主因かもしれませんが、例えば4位に入った旅行産業研究会の記事では旅行業界の未来を大きく左右する議論の内容をお伝えしています。

 旅行産業研究会は、業法や約款など諸制度の見直しについて方向性を見出すとともに旅行業の組織的な安全マネジメントの体制構築などについても検討するために観光庁が設置したものです。第2回と今回の第3回では、海外OTAとの競争で問題となっている手配旅行のあり方が話し合われました。

 取材に応じてくださった観光庁観光産業課長の石原大氏によると、宿泊の単品販売などは旅行業法の対象外としても良いのではないかという声も聞かれるなど、かなり濃い議論が交わされているようです。

 今後、残された数回の会合で取消料や旅程保証、安全マネジメントなどについても話し合わなければならず、傍目には時間が足りるのかと心配してしまう部分もありますが、このままタブーなく意見が出され可能な限り最高の成果が出てほしいと願っています。

 なお今週は、ランク外でしたがフィリピンを襲った台風についての記事も掲載しました(リンク)。報道によるとすでに約4500人の方々が亡くなっており、そのような中で観光への影響は少ないという情報を発信することが適切かという考えもあり得ますが、旅行業界がすべきことは亡くなった方々のご冥福をお祈りするとともに、現地の正しい状況をお客様に説明し、送客することと考えています。

 逆の視点からすれば、それこそ旅行会社にしかできない復興支援です。2011年の当時を思い返し、「してもらって嬉しかった」ことをお返しするのが最もシンプルな発想でしょう。記事でもお伝えした通り、観光地への影響はほとんどありません。是非、正確な情報を収集し、お客様にお伝えいただきたいと思います。(松本)

▽日刊トラベルビジョン、記事アクセスランキング
(2013年11月第3週:11月10日0時~11月15日15時)
第1位
JATA旅博と旅フェア日本が統合、「ツーリズムEXPOジャパン」に(13/11/08)

第2位
旅行業倒産、10月は3件、宿泊業は9件に(13/11/11)

第3位
タイ国際航空、パース線販売強化-日本路線増加で以遠需要を開発へ(13/11/11)

第4位
単品販売と手配旅行のあり方議論、法規制見直しで-旅行産業研究会(13/11/12)

第5位
ルックJTB、「心ゆく旅」「くつろぎの旅」で取消料を自社負担、60歳以上で(13/11/10)

第6位
第3種のジャコアンドワールド、破産手続開始-負債総額1.5億円(13/11/10)

第7位
JTB、熊本のグループコールセンターを独立会社化、400名規模(13/11/12)

第8位
カナダ、FITや若年層対策強化、AC羽田線に高い期待も-ショーケースより(13/11/14)

第9位
アメリカン航空とUSエアの合併、12月に実現へ(13/11/13)

第10位
五輪チケットで詐欺、大手の社名騙る-JATAが注意喚起(13/11/13)