JATA菊間会長、13年は旅行会社主体の市場創出へ-約款改正は本格検討

  • 2013年1月14日

JATA会長の菊間潤吾氏  日本旅行業協会(JATA)会長の菊間潤吾氏は、1月11日に開催した定例会見で2013年の方針を語った。「13年は旅行会社自らがマーケットに提案し、マーケットを創出していく最初の年にする、という意気込みでやっていきたい」考えだ。ヨーロッパの需要喚起と市場開発を目的に立ちあげた「チームヨーロッパ」プロジェクトを本格展開するほか、ブランドUSAなどと商品力強化のための研修を実施し、旅行会社が主体的に市場を創出する試みを進めていく。

 菊間氏は、2013年に成田の発着枠増加や羽田の増便による座席供給量の拡大で市場が拡大すると期待を示し、領土問題で落ち込む中国、韓国についても春から復調すると予測。2016年の海外渡航者数2000万人の目標については「昨年より多い数字を目標に取り組めば、16年を待たずに到達するのでは」という。こうした環境のもと、13年は政策検討特別委員会でおこなってきた施策の見直しに基づいて活動していく。

 具体的には、約款や業法の改正について、本格的に検討を進めていく。同氏は「ボーダレス社会の中、日本のみルールに縛られるのは良くないが、消費者保護につながらないものも良くない。うまく検討し、(行政側に)要望していきたい」と考えを述べた。JATAでは法制委員会内に検討会を立ちあげており、観光庁もオブザーバーとして参加。取消料問題や、インターネットの伸長に合わせた旅行会社のあり方などを検討課題としているという。今後は昨年秋に観光庁が立ち上げた観光産業政策検討会と連動しながら進めていく考えだ。

 航空関連では、燃油サーチャージ問題について海外旅行委員会や政策検討特別委員会で引き続き議論していく。菊間氏はサーチャージが消費者の混乱をまねき需要拡大の阻害要因となるとし、他国の事例を研究しながら改善に向け強く訴えていきたいと意欲を示した。

 また、チャーター関連については、現在国土交通省航空局に要望中の規制緩和を引き続き訴えていく。JATAではチャータービジネスの拡大をはかり、用機者が設定したチャーター商品を他社へ転売できるよう規制緩和を求めており、現在航空局側で検討中だという。また、国際線チャーターを実施する際のGSAなどに対しガイドラインの策定もはかっており、昨年末に仮案を提示。3月末までの取りまとめをめざす。

 一方、訪日関連については、訪日旅行のランドオペレーター認証制度の導入について、4月めどに募集を開始すると説明。また、菊間氏は、JATAとして訪日旅行プロモーションは今まであまり実施してなかったとして、今年は日本政府観光局(JNTO)などと連携し、訪日観光プロモーションを積極的に取り組んでいきたいと意欲を示した。

 このほか国内旅行については、引き続き東北復興支援活動を実施する考え。JATA東北1000人プロジェクトは受入側からも参加者からも評判が高く、コンテストにも100コース以上の応募があったという。