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百戦錬磨から独立、宿泊・賃貸・滞在を融合し新たな宿泊の選択肢を提供-リアテクノロジーズ代表 橋野宜恭氏

  • 2022年6月1日
-新法民泊では年間180日しか営業できませんが、どうやって利益を出すのですか。
2019年にオープンしたBONコンドミニアム梅田は広々とした34~43平米の客室

橋野 180日は実泊数です。部屋が7割稼働した場合、180日使い切るのに257日かかります。つまり年間8.5ヶ月は1泊2日の宿泊(新法民泊)で、残り3ヶ月をマンスリーマンションで回しています。今は外国人旅行客がいないので、閑散期の1、2月をマンスリーで運用して春から年末に180日使い切る形です。大阪では特区民泊も活用してさらなる最適化を図っている施設もあります。

-集客はどうやっていますか。

橋野 OTAからが多いです。あとはサービスサイト「BON Lodging(ボンロッジング)」でレジホの広報活動とともに集客をおこなっています。コロナ禍になってからは、海外から帰国した日本人が2週間の自主隔離をおこなう場所としてランディングページを作って周知し、コロナ禍後の海外駐在員の夏休みの里帰り等のニーズも見込んでいます。

スマートチェックインなどDX化を進めている

 利用者は9割以上がレジャー客で、3分の2は20〜30代のグループ旅行者です。マンスリー利用はビジネスパーソンが比較的多いほか、劇団員の方に3ヶ月間の公演期間中にご利用いただくこともありました。また、施設ランクを維持する観点からもむやみな安売りはせず、集客時にあらかじめハイブリッド運用をおこなっていることを謳うことで、異なる形態の滞在ゲストが混在することでの無用なトラブルを避けています。

-旅行会社から問い合わせはありますか。

橋野 「レートを出してください」と依頼をいただくことがあります。ただ「レジホって旅館業ですか?」と聞かれて、旅館業ではない施設もあると答えると、旅行会社の社内規定の都合で取り扱い対象外とされてしまう場合があったりします。当社の施設は全て許可等を取って合法で運営していますが、旅館業でないと受け入れがややこしい場合があるようですね。大手の旅行会社さんは気にされなかったりするケースが多いです。

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