東京さくらツーリストが破産開始-過去に補助金不正受給

  • 2017年3月29日

 東京商工リサーチによると、第2種旅行業者の東京さくらツーリストは3月22日、東京地方裁判所から破産開始決定を受けた。負債額などは調査中。1999年に入会した全国旅行業協会(ANTA)の正会員企業で、ANTAは今月7日には弁済業務保証金制度の認証申出の受付を開始していた。弁済限度額は1100万円。

 同社は96年3月に設立。主に企業や学校などの団体旅行を扱っていたが事業運営は厳しく、2015年8月には東京都が東日本大震災からの復興支援に向けて実施していた「被災地応援ツアー事業」を悪用して、補助金約235万円を不正受給していた実態が報道された(下記関連記事)。社会的信用が低下した結果、同年末からは連絡が取りにくい状態が続き、その後は補助金については返還したものの、他の債務が返済できなかったため、破産による債務整理手続きを進めていたという。

 今年3月3日には旅行業登録の抹消とともにANTAからも退会。ANTAによれば、弁済保証の申出件数は3月29日の時点で10件程度という。申出は5月6日まで受け付ける。