夏の国内旅行者数は微増、北陸や伊勢志摩など人気に-JTB調査

  • 2015年7月2日

 ジェイティービー(JTB)がこのほど実施した夏休み(2015年7月15日~8月31日)の旅行動向調査で、宿泊を伴う国内旅行者数は前年実績の推計比で0.2%増の7561万人の見込みとなった。平均費用は0.4%減の3万4700円で、国内旅行の消費額は0.2%減の2兆6237億円となる予想だ。

 人気の旅行先では、関東が3.6ポイント増の20.2%、東海が5.3ポイント増の13.3%、甲信越が1.3ポイント増の11.4%、近畿が1.1ポイント減の11.1%と1割以上のシェアとなった。JTBによると、北陸新幹線の開業により、北陸が0.4ポイント増の5.3%と人気が高かったほか、16年5月にサミットの開催が決定した伊勢志摩にも注目が集まっているという。

 また、JTBによると、今年4月から全国で販売が開始されている「ふるさと旅行券」も人気を得ているという。インターネットや旅行会社での申し込みが増加しており、地域への旅行需要喚起に貢献しているとの分析だ。

 出発日のピークは、JTBのツアー予約状況から8月12日から14日までとなる見通し。旅行日数は1泊2日が2.8ポイント増の45.0%と最も高く、次いで2泊3日が0.5ポイント減の32.5%、3泊4日が3.8ポイント増の13.9%、4泊5日が0.1ポイント増の3.4%などとなった。

 また、旅行の目的で最も多かったのは「帰省、離れて住む家族と過ごす」で、4.1ポイント減の15.6%。このほか、「温泉でゆっくりする」が0.8ポイント減の13.7%、「自然や風景を楽しむ」が0.5ポイント増の12.0%、「家族や友人との親睦を深める」が0.5ポイント増の11.7%などと続いた。

 JTBのツアー商品の予約状況を見ると、ねぶた祭やよさこい祭など、旅行者でも参加できる祭を楽しむツアーが前年に比べ好調に推移。また、この時期ならではのイベントなども人気が高いという。

 国内旅行での利用交通機関に関しては、乗用車が5.6ポイント増の70.9%と最も高く、伸び率でも1位。JTBでは、昨夏に比べガソリン代が下がっていることや、新しい高速道路が開通したことなどが要因との考えだ。このほか、鉄道が3.4ポイント減の21.0%、飛行機が2.5ポイント減の18.6%、長距離バス・貸切バスが2.8ポイント減の5.4%、フェリー・船舶が0.3ポイント増の2.4%となった。

 一方、利用宿泊施設については、ホテルが2.5ポイント増の44.4%と全体の約半分を占めた。次いで、旅館が3.5ポイント増の27.9%、実家・知人宅が4.2ポイント減の21.8%、民宿・ペンションが0.5ポイント増の13.1%となった。

 なお、調査は旅行動向アンケート、JTBグループの販売状況、航空会社の予約状況、業界動向、経済動向から推計したもの。旅行動向アンケートは6月3日から15日にかけて、全国200地点で15歳から79歳までの男女を対象に個別訪問で実施しており、サンプル数は1200名。