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訪日2000万人、オールジャパンで取組を-ガイドの質向上も

地方への誘客強化、地方同士の連携も
ガイドなどの質向上が課題、新免税制度に期待

 2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催が決まり、訪日外客2000万人達成の目標に向け、旅行業界のみならず日本全体で訪日外客誘致の機運が高まっている。こうしたなか、ツーリズムEXPOでは訪日旅行シンポジウム「2000万人を目指すためのオールジャパンでの取組み」が開催され、パネリストが官民それぞれの立場で、2000万人達成に向けた取り組みや課題について議論した。



・パネリスト
岐阜県 顧問 古田菜穂子氏
NPO日本体験文化交流塾 理事長 米原亮三氏
ジャパンインバウンドソリューションズ 代表取締役社長 中村好明氏
日本旅行業協会(JATA) 訪日旅行推進委員会 訪日旅行客2000万人受入対応部会 部会長/
JTBグローバルマーケティング&トラベル 取締役 グローバルマーケティング部長 吉村久夫氏
・モデレーター
日本政府観光局(JNTO) 統括役 小堀守氏


2000万人、実現可能も「チャレンジングな目標」
キーワードはアジア、個人、地域、品質

JATA訪日旅行推進委員会の吉村氏  JNTOによると、2014年1月から9月の訪日外客数は前年比26.0%増の973万7300人。今年は毎月前年から2ケタ増が続いており、1年の累計は1200万人を超える見込みだ。JATA訪日旅行推進委員会の吉村氏は、訪日外客数の増加について、1977年から約40年で100万人から10倍の1000万人に、2002年から約10年で500万人から2倍の1000万人になったと説明。2013年から7年で2000万人を達成することは「実現できると考えているが、同時にチャレンジングな目標でもある」と語り、段階を踏んだ計画を立てて的確に進めるとともに、2020年以降も成長し続けられる、持続性のある展開をしていくべきとの考えを示した。

 その上で、同氏はキーワードとして「アジア」「個人」「地域」「品質」の4項目を挙げた。このうちアジアはメインの韓国、中国、台湾に加え、成長が著しい東南アジアやインドなどで「いかに伸びしろを伸ばしていくか」が課題だという。また、訪日客の個人旅行比率は2010年は59.2%だったところ13年は74%に増えたことから、FIT向けのパッケージツアーや体験プログラムなどの必要性を指摘した。

 さらに、地域については、訪日客の51%が東京に来ているといい、「これでは2000万人は厳しい。オールジャパンに広げていくべき」と主張。品質についてはJATAの品質保証制度に言及。「品質はリピーター化のキーワード」であり、「何度でも来ていただき、来るたびに新たな感動が提供できるように」するため、制度を活用しながら品質確保・向上を旅行業界全体で取り組んでいくべきと示唆した。