LCCで航空旅客増、鉄道から転化も-利用目的は観光、片道利用の割合高く

  • 2014年11月9日

 国土交通政策研究所は11月5日、国内市場におけるLCCの参入効果を分析した調査研究の結果を発表した。調査では、2013年末までに通算12ヶ月以上LCCの就航実績がある9路線(※1)について、OAGのデータを元に分析。2012年は前年比71.1%増の450万4000人、2013年は41.2%増の635万8000人となった。

 一方、LCC参入路線と競合する路線、例えば、LCCの成田/新千歳線と競合するFSCの羽田/新千歳線など16路線(※2)の合計では、12年は4.8%減の2503万6000人、13年は8.8%減の2284万5000人と減少した。

 LCC参入路線と競合路線の旅客数を合計すると、12年は2.1%増の2953万9000人、13年は1.1%減の2920万4000人となった。一方、LCCが未参入で年間輸送実績が30万人以上の31路線(※3)の合計では、12年は0.1%減の2391万5000人、13年は4.2%減の2291万2000人となり、LCC参入・競合路線の減少率を上回った。こうした結果から、同研究所では、LCC参入により新規需要の誘発や旅行先の転換が起こったと分析した。

 また、調査ではLCCの鉄道への影響についても言及。JR西日本のデータによると、11年度から12年度にかけて、LCC未参入区間では航空と鉄道のシェアは変わらないが、12年度当初からLCCが参入している京阪神/福岡県間では航空のシェアが4ポイント増加。同区間の12年度の航空旅客数は39%増の108万8000人だが、鉄道旅客数は0.2%減の571万人と減少しており、同研究所では、約20万9000人が鉄道から航空へと移動手段を変更したと見ている。

 航空運賃については、ジェットスター・ジャパン(GK)、ピーチ・アビエーション(MM)、バニラエア(JW)の日系LCC3社、日本航空(JL)、全日空(NH)、スカイマーク(BC)の10月1日から7日の搭乗便をウェブサイトで比較。LCCはFSCに比べ下限から上限の幅が大きく、LCCの下限の運賃はFSCの最安運賃の半額に近い水準に、上限はFSCの3日前まで予約可能な割引運賃よりも若干安い水準に設定されているという結果が出た。なお、BCは下限はLCCより高いが、上限はLCCよりも低い水準となった。

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※1 成田/新千歳、福岡、那覇、関空線と、関空/新千歳、福岡、長崎、鹿児島、那覇線

※2 羽田/新千歳、福岡、那覇、伊丹、関空、神戸線、伊丹・神戸/新千歳、福岡、那覇、鹿児島、長崎線

※3 羽田/旭川、女満別、釧路、帯広、函館、青森、秋田、庄内、富山、小松、岡山、広島、米子、出雲、山口宇部、徳島、高知、北九州、長崎、熊本、宮崎線、伊丹/新潟、松山、熊本、宮崎線、新千歳/仙台、福岡線、福岡/宮崎、那覇線、那覇/中部、宮古線