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伊ヴァッレ・ダオスタ、若年層の取り込みと滞在日数増加をめざす

  • 2014年10月12日

ヴァッレ・ダオスタ自治州観光局の杉山武史氏 イタリアのヴァッレ・ダオスタ自治州観光局は10月9日、イタリア政府観光局(ENIT)の協力のもと、セミナーとワークショップ「アオスタ ハウス 2014」を開催した。ヴァッレ・ダオスタ自治州観光局の杉山武史氏によると、2013年の日本人訪問者数は1万3000人。2014年については「ミラノ万博などの影響で、どうなるかわからない」が、「ブームは去ってしまう」ことから「少しずつ(訪問者数を)伸ばしていきたい」考えだ。

 同局では若年層の取り込みをはかり、アリタリア-イタリア航空(AZ)や広告制作などをおこなうビーツーエンジンと協力して、来年6月にモニターツアーを実施する予定。杉山氏は「現在はシルバー層の需要が多いが、新しい層を取り込む必要がある」とコメント。また、「たくさんの方が新しい素材を探している」とし、「広告制作をおこなう彼ら(ビーツーエンジン)は最先端を知っている」と語った。

 ツアーでは、若い人はアウトドアが好きな傾向にあるとの分析から、スキーやスノーボード、クロスバイク、パラグライダーなどのアクティビティを実施する計画だ。

 このほか、杉山氏は旅行会社に対して「どこかのデスティネーションとのコンビネーション旅行ではなく、ヴァッレ・ダオスタ州をメインにしたツアー造成をしてほしい」と訴えた。そのためには滞在日数を増やすことが課題であるとし、「旅行会社の方に現地で何ができるかなどのノウハウを知ってもらうことが大切」と話した。今後も今回のようなイベントを実施し、旅行会社に対し働きかけていくという。

 また、セミナーではモンテローザ、サン・ヴァンサン、チェルヴィニア(マッターホルン)、モンテビアンコ(モンブラン)の魅力や施設のリニューアルなどについて説明。例えば、2015年春に再開予定のモンブラン・ゴンドラや、全長330キロメートルのトレイルレース「トル・デ・ジァン」を紹介した。

 モンブラン・ゴンドラは2011年に改修工事を開始。発着地駅をラ・パリュからアントレーヴに変更することで、大型バスなどでのアクセス利便性が向上するという。また、トル・デ・ジァンでは通常の旅行者では訪れないような場所も通ることから、レースに参加してもらうことでヴァッレ・ダオスタ地域のさらなる魅力を訴求したい考えだ。