伊ロンバルディア、ミラノ万博に向けホテルの日本人対応強化

  • 2014年6月17日

エクスプローラ社CEOのジョセップ・エヤルケ氏  イタリア・ロンバルディア州の観光プロモーション業務をおこなうエクスプローラ社は6月16日、都内で来年に開催されるミラノ万博のプレゼンテーションをおこなった。同社CEOのジョセップ・エヤルケ氏は、日本人来場者の誘致に向けた施策として、ミラノ市内のホテルにおける日本人向け対応を強化すると説明。日本人向けのサービスや対応能力を備えたホテルを「Japan-Friendly Accommodation」として認定し、日本市場に訴求する考えを示した。

 ミラノ万博は「Feeding the planet, Energy for life」をテーマとした食と環境に関する万国博覧会で、開催期間は2015年5月1日から10月31日まで。144ヶ国と10の国際機関が参加し、全世界から2000万人の来場者を見込むという。このうち日本人の目標数は15万人で、エヤルケ氏は「高めの数字だが充分達成できる」とした。同氏によれば、昨年1年間にミラノを訪れた日本人は約4万人。ロンバルディア州全体では約6万7000人で、いずれも前年比で5%以上伸びているという。

 エヤルケ氏はプレゼンテーションで、「我々にとって日本は愛してやまない非常に重要な市場」と述べ、日本人観光客には最適なサービスを提供すると説明した。「Japan-Friendly Accommodation」の制度導入については、「日本の旅行会社は安心して、顧客にホテルを提案できるようになる」と強調。同様の試みは、アメリカ人、中国人、インド人、ロシア人、ユダヤ人、ムスリムについても進めているという。

 「Japan-Friendly Accommodation」の要件は、日本語版のウェブサイトを有していること、日本文化に明るいスタッフが在籍していること、日本の祝日にも営業していること、食事の提供時間に関して柔軟な対応が取れること、日本食の朝食を提供できること、日本語によるページから高速Wi-Fiに接続できること、日本語のテレビ放送を提供できること、など。16項目の要件を全て満たす、3ツ星から5ツ星までのホテルが対象となる。エヤルケ氏によれば、「既に22軒から23軒程度を認定している」という。

 エクスプローラ社では、7月15日から日本語を含む9ヶ国語に対応したウェブサイト「WONDERFUL MILAN & LOMBARDY」をオープンして、一般向けに情報提供を開始。ウェブ上では万博の入場券やホテル、交通機関、日本語ガイドによるツアーの予約も可能となる。同ウェブサイトは旅行会社とのBtoBプラットフォームの役割も担い、旅行会社はウェブサイトを通じて入場券やホテルなどの仕入れが可能。入場券は1社あたり3000枚まで購入可能で、手数料などは徴収しないという。

 また、万博期間中は宿泊料金の高騰が懸念されるものの、エクスプローラ社はホテル業界との間で取り決めをおこない、通常の料金から30%以上の値上げをおこなわないよう定めたという。そのほか、ミラノ市内のホテルが不足した際などには120キロ以内の近隣都市のホテルの確保に務めるなど、BtoCおよびBtoBの両方において、予約の橋渡し役を果たす考えを示した。