OATA、4月から新積立金 クーポンの基盤強化

 協同組合大阪府旅行業協会(OATA、徳原昌株理事長)は4月から、クーポン保証事業利用分量共済積立金を新設した。組合員が1カ月間に発券したクーポン総額の0.2%を毎月積み立てていく。100%補償のOATAクーポンの財務基盤を強固にすることが目的だ。

 クーポン保証事業利用分量共済積立金の新設は3月27日に開いた第39回総会で決まった。一昨年からクーポンの未清算や組合員の破産が6件発生し、その多くは回収の見通しが立っているものの、徳原理事長は「クーポン事業の運営はまったく揺らぐことはないが、体力のある今だからこそ、信用と保証のOATAクーポンをより磐石にする」と、新たな積立金を設ける経緯を話した。

 新積立金は総額で1億円に達した時点で、それ以降の超過額は組合員に返還する。貸倒損失が発生した場合は、その都度補てんする。

 総会、懇親会のあいさつで徳原理事長は繰り返しクーポンの状況を説明した。6件の事故は発生時の総額で約1億6400万円だったが、3月25日現在で8千万円弱まで減額した。返済計画に基づき定期的に返納している元組合員のほか、保険や弁済金などもあり回収が進んだという。徳原理事長は「損金処理をできるだけ少なくするよう執行部で取り組んでいきたい」とした。また、OATA連絡協議会との合同懇親パーティーでは、組合純資産やクーポン補償金など3億円ほどの蓄えがあり「安心していただいて結構だ」と受け入れ先に強調した。

 OATAクーポンの2013年度(13年2月-14年1月)の売り上げは前年度比96.0%の98億7千万円だった。組合員の総数が減少したことが要因で、1組合員あたりでは同101.0%となった。

 今年度事業に関しては、クーポン増売を目指し特別委員会の立ち上げを検討する。支部再編の審議、看板事業の天神祭・船渡御の貸切船事業などを継続する。

 合同懇親パーティーでは、同日行われた総会で再選したOATA連絡協議会の川村智一会長が「相思相愛で今日までやってきた。我々がいい製品をつくりOATAに思い切り売っていただく」とエールを送った。

 来賓として出席した全旅の池田孝昭社長は「OATAはクーポン、保険事業の先駆者。全旅クーポンはOATAクーポンと共存共栄。ともに発展したい」と話した。


情報提供:トラベルニュース社