タイ国際航空、パース線販売強化-日本路線増加で以遠需要を開発へ

  • 2013年11月11日

研修旅行はパースを起点に10月、11月がワイルドフラワーのシーズンとなるマーガレットリバーとその周辺地域を訪問。写真は巨木カリーの林から南氷洋へ抜ける間に広がる白亜の砂漠、エアガラップ・デューンズにて。 タイ国際航空(TG)はバンコク経由のパース線の販売を強化する。バンコク/パース線はオーストラリアで高まっているタイへのレジャー需要を主力に、13年夏スケジュールは1日2便を運航。オーストラリアが夏期になり、タイへの渡航需要が減少する冬スケジュールでも、需要に応じて週9便から週7便を運航する計画だ。

 日本市場での販売については、パースが現在、日本発着の直行便がないことに加え、「西オーストラリア州はワイルドフラワーやワイン、ソフトアドベンチャーを含む魅力があり、可能性があるデスティネーション」(TG東日本地区旅客営業部部長・杉岡茂則氏)と判断。先ごろには西オーストラリア州政府観光局(TWA)と共同で2年目となる旅行会社向けの研修旅行を実施しており、「1年間で(TGのバンコク経由パース線の)認知が広がり、利用が増えた」と成果を話す。

 また、パース線の販売強化は、TG本社が旺盛な訪日需要を受けて日本路線を重視し、供給量を大幅に増加していることも背景にある。12年冬スケジュールには札幌線を開設したほか、札幌線、名古屋線などで増便、機材を大型化し、13年冬には仙台線(12月4日~週3便)を開設。さらにA380型機を成田線に2機目、関空でも初就航する計画だ。

 これらにより、13年冬スケジュールにおける日本路線は全国7空港・週76便に拡大し、全座席供給量は前年比131%に増加。さらに14年夏には羽田昼間便も就航する予定もあり、TGではパース線のみならず、日本市場で可能性のある就航地について就航地の観光局と協力しながらデスティネーション開発をおこなうことに意欲的だ。

 TGのメリットとして、「(訪タイと訪日の)双方向の需要が強く、安定している。日本国内の発着地が多く、日本全国から世界各地に行けるのも強み」と杉岡氏。現在の以遠需要は、東京発着は35%だが、地方路線は20%未満にとどまっており、まずは30%に引き上げたい考え。このほか、教育旅行団体のプロモーションにも力を入れていく方針だ。