年頭所感、ニーズに応える商品力、変化へ意欲も-大手各社トップ

  • 2013年1月8日

▽日本旅行
代表取締役社長 丸尾和明氏

日本旅行代表取締役社長 丸尾和明氏

 昨年は欧州の経済危機や尖閣・竹島問題など当社事業に影響を与える出来事もあったが、それまでの年と比べると平穏な年であり、積み残した課題は多いものの、ビジネスモデル転換の第一歩が踏み出せた年であった。「ビジネスモデル転換の具体化、加速化」をはかるべく法人・個人の両部門とも、強化分野の取り組みの一層の強化をはかってきた。

 法人部門では、需要の堅調な教育旅行に対して人材のシフトや支店の新設をした。また、業界トップ水準にあるBTMについては、大企業や大学へのシステム営業、人材の投入や首都圏地区への支店新設などをおこない、MICEやインバウンド事業においてもセールス強化をはかった。個人旅行部門では、インターネット専用商品の充実や、今後の市場の柱となる「女性」や「シニア」向け専用サイト開設などの取り組みも開始した。

 2013年は、国内経済を見ても、昨年夏以降の減速傾向が続き、消費は低迷するものと考えなければならず、海外経済では、欧米の不透明な経済情勢に加え、これまで世界経済を牽引してきた中国をはじめとする新興国が、かつてのような大幅な成長を期待できない状況にあり、景気の下振れリスクも懸念される。

 また、超円高は一段落したが、我が国の総人口減少を背景に企業の海外シフトが一段と進展すると見られ、ネット社会の進展やキャリアの直販化も引き続き加速していくものと考えている。

 今年は、新たに策定した新・中期経営計画「ACTIVE 2016-ビジネスモデル転換により新たなステージへ-」の初年度にあたる。変化を続けるお客様のニーズをしっかりと捉え、確固たる収益基盤を確立するとともに、活力ある企業グループを作り上げていくことをめざす。

 2016年度のゴールに向けて「ACTIVE 2016」をグループ一体となって推し進めるとともに、柔軟な発想による新たな取り組みを積極的に推進し、継続的に発展する日本旅行グループを全社員の力で築き上げていく。


ジャルパック
代表取締役社長 二宮秀生氏

ジャルパック代表取締役社長 二宮秀生氏

 「安心と品質の『いい旅、あたらしい旅。』をお客様に喜んでいただき、平和で豊かな社会づくりに貢献します」というのがジャルパックの企業理念。本年もこの実現のために社員一同ベクトルを合わせて取り組んでいく。

 旅の醍醐味は出会いと感動。そして旅には文化、交流、経済、教育、健康、さらには地域活性化や世界平和にもつながる大きな可能性がある。旅へのあこがれは決してなくならず、「きっかけ」があれば人はまだまだ旅をする。

 巳年の「巳」から「e」を連想するが、引き続きウェブを強化していく。一方で、ウェブの進展により情報が反乱する中、いかに旅の素晴らしさがお客様に伝わるか、ということを大きなテーマと捉えたい。

 関係先の皆様とともに、国内旅行も海外旅行も、お客様に喜んでいただけるジャルパックならではの「いい旅、あたらしい旅。」をご提案していくとともに、お客様にその旅の良さが伝わるよう様々な「きっかけ」づくりにも力を注いでいく。


▽ANAセールス
代表取締役社長 稲岡研士氏

ANAセールス代表取締役社長 稲岡研士氏

 これまで日本人の海外渡航者数は2000年の約1782万人を催行に横ばいが続いていたが、2012年は五輪開催や円高が追い風となり初の1800万人突破が予想されている。国内でもLCC就航、スカイツリーや東京駅駅舎など新名所が続々とオープンし、大きな旅行需要が生まれた。

 一方、旅行業界においては、お客様ニーズや旅の形態の変化、流通チャネルの進展など、マーケットは日々変化している。この時代に生き残っていくためには、変化への対応だけでなく、自らを変革し続けていくことが必要だ。

 今年は、将来を見据えた「変革へのチャレンジ」の年と捉え、従来の枠組みにはとらわれない、今までにない視点での発想で新しい需要を掘り起こしていく。また、お客様に喜んでいただける安心と付加価値の高い旅行商品を提供し、サービスの向上に努めるよう全社員一丸となって取り組んでいく。

 当社は、ANAの販売を担う会社として2003年に創立し、今年の4月で10周年を迎える。この節目にあたり、「常にお客様や社会に新しい価値を提供し貢献したい。」という思いを大切に、これからもANAセールスは邁進していく。