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トップインタビュー:春秋航空 董事長の王正華氏

  • 2012年5月24日

ビジネス需要の取り込みはかり、14年までに10路線開設へ
中国内陸部の訪日需要拡大、日本でのハブ空港設置も検討

 今年は日系LCCの就航が続くこともあり、LCCへの注目が高まっている。春秋航空(9C)は2010年7月の茨城/上海線開設を皮切りに、現在茨城、高松、佐賀/上海線の3路線をプログラムチャーターで運航。日本市場に参入して3年目を迎えるLCCだ。今年1月18日から運航を開始した佐賀/上海線は、早くも週3便への増便を国土交通省に申請しており、日本/中国間の路線拡大に積極的な動きを見せている。9C董事長の王正華氏に、日本市場での戦略や今後の見通しを聞いた。


-日本に就航して今年で3年目ですが、日本市場での送客実績を教えてください

王正華氏(以下、敬称略) 日本市場での実績は思ったよりいい。当初は東京、大阪、名古屋といった大都市に就航する方が良いと思っていたが、なかなか(当局から)許可がもらえなかった。そのため、茨城など地方空港に就航していったが、結局は良い成績となった。路線網も、最初は茨城/上海線1路線だったが、現在3路線に増加しており、就航便数も週3便から11便に増やした。当社の成長ぶりは早いといえるだろう。


-日本市場でターゲットと考える客層は

 日本市場では、将来的には地方路線をメインにビジネス客をターゲットにしていきたい。現在、日本人と中国人の割合は5対5。佐賀、高松/上海線は日本人の割合は50%以上と高く、そのほとんどがビジネス客だ。また、茨城/上海線でも、当初乗客の半分は観光客だったが東日本大震災後は観光客が徐々に減少し、ビジネス客が増加した。最近ではほとんどがビジネス客となっている。

 中国国内線でも、当社の親会社が春秋国際旅行会社であるため路線開設時は観光客がメインだった。しかし、路線の利便性や航空運賃の安さから次第にビジネス客が増えてきている。その傾向は日本路線でも変わらない。我々の戦略としても、最初のメインターゲットは観光客だが、次第にビジネス客へとターゲットを移行している。