観光立国推進基本計画、閣議決定-観光の裾野の拡大、質の向上めざす

  • 2012年4月1日

 政府は3月30日、観光立国推進基本計画を閣議決定した。基本計画の策定の方向性として観光の裾野の拡大と質の向上を掲げ、2012年度から2017年度の5年間を計画期間として展開していく。国土交通大臣の前田武志氏は同日開催した定例会見で「観光は国の成長戦略の主眼である」と述べ、「観光立国の実現に向けて政府をあげて取り組んでいく」姿勢を改めて示した。

 計画では、基本的な方針として「震災からの復興」「国民経済の発展」「国際相互理解の増進」「国民生活の安定向上」の4つの柱をかかげた。また、観光地域や旅行サービスの質の向上をはかるため、2017年までに達成する数値目標を設定。訪日外国人旅行者数は2020年初めまで2500万人とすることを年頭に、1800万人を目標とした。海外旅行者数は2000万人をめざす。

 また、国内における旅行消費額を30兆円、日本人の国内観光旅行による1人あたりの宿泊数を年間2.5泊、国際会議開催件数の5割以上の増加を目標に設定。訪日外国人旅行者の満足度の向上をめざし、訪日外国人消費動向調査の回答する割合について「大変満足」を45%、「必ず再訪したい」を60%とすることもめざす。観光地域の旅行者満足度についても、「大変満足」と、再来訪意欲で「大変そう思う」と回答する割合をそれぞれ25%程度にしたいとした。

 具体的な施策としては、国内外から選好される魅力ある観光地域づくり(観光地域のブランド化・複数地域間の広域連携など)、オールジャパンによる訪日プロモーションの実施、国際会議などのMICE分野の国際競争力強化、休暇改革の推進の4項目を「観光庁が主導的な役割を果たすべき主な施策」として提示した。

 なお、計画は毎年度施策の点検と評価をおこない、観光庁が関係省庁に対し、当該結果について翌年の施策に反映させるよう、働きかけを実施する。