6月の訪日外客は36%減も減少幅は縮小-上半期は33%減

  • 2011年7月15日

 日本政府観光局(JNTO)によると、6月の訪日外客数の推計値は前年比36.0%減の43万3100人であった。放射能漏れなどの原発事故問題が完全に収束していないことなどから安心、安全に対する懸念が影響し、3月から4ヶ月連続で前年を下回った。しかし、世界的な景気低迷と円高、新型インフルエンザなどの影響を受けた2009年6月と比べると約8700人多く、前年と比較した減少幅も大きく縮小。旅行会社が訪日団体ツアーを割安料金で販売したことが奏功し、訪日旅行需要を下支えしたほか、航空会社による割安運賃の設定も減少幅が縮小した後押しとなったようだ。

 国、地域別にみると、いずれも半数以上を下回る減少幅はなく、最も減少幅が大きかったのはシンガポールで49.6%減の8900人であった。2番目はロシアで46.7%減の2000人、3番目はマレーシアで43.3%減の4700となった。また、最も減少幅が小さかったのはインドで22.6%減の4500人、2番目は台湾で23.0%減の8万7700人、続いてタイで24.8%減の7500人であった。また、2011年1月から6月までの上半期累計は32.6%減の283万3100人であった。

 なお、日本人出国者数は2.9%減の127万4000人で、4ヶ月連続で前年を下回った。全国的に自粛ムードが広がったことで海外旅行意欲が萎縮したほか、航空便の縮小などが影響した。