JTB、「ガクタビ」を通年で設定−若者の旅行需要喚起、春休み商品10%増へ

  • 2010年11月5日
 ジェイティービー(JTB)は、学生を対象とした海外旅行を展開する「ガクタビ」プロモーションを通年で展開する。ガクタビはこれまで、卒業旅行を中心とした1月から3月までの特別商品として企画していたが、実際は夏休みを使った旅行や、平日の1泊2日の国内旅行といった需要もあることから通年での設定を決めた。また、若年層の旅行離れが懸念される中で、低価格で学生が参加しやすい商品を定着させることで全体的な学生市場の活性化につなげる考えだ。通年での目標は未定だが、1月から3月までの学生旅行の取扱人数で前年比10%増をめざす。

 今回、海外旅行商品では、参加人数の多い地域について大人数で同じ部屋に宿泊できる大部屋プランの充実をはかった。例えば最大8名で宿泊できるホテルを用意した「羽田空港から行くバリ島5日間」では、燃油サーチャージを含めて8万3800円から14万7800円とした。また、1度の旅行でなるべく多く訪問したい学生のニーズにあわせ、ヨーロッパコースのパンフレット上に何ヶ国の何都市周遊するのかを表示。さらに、ヨーロッパのオプショナルツアー代金は1ユーロ100円で換算して設定した。

 このほか、国内旅行商品では、大人数グループ用に5名1室利用などの「コテージに泊まり隊!」を2700円から設定。また、沖縄商品でレンタカー代金が1日1名あたり500円のプランも用意した。

 なお、最近の学生旅行は、1人の学生がサークルやゼミ、アルバイトなど異なるグループのメンバーと複数回旅行するケースも増えているほか、その人数によって旅行形態が異なる傾向にあるという。例えば、大人数のグループの場合、手軽に参加できる国内旅行やアジア、グアム、サイパンなどの近場のデスティネーションが多く、例えば2009年度に4名以上のグループで参加した商品の場合、グアム、サイパンが全体の50%、アジアが44%を占めた。一方、親しい友人と2名だけで参加する場合などはヨーロッパやアメリカなど長期で遠方に旅行する傾向があるという。