JNTO、訪日外客1000万人に向けラストスパート−羽田国際路線でプロモ実施

  • 2010年9月1日
 日本政府観光局(JNTO)は9月から12月を訪日外客1000万人達成に向けたラストスパート期間とし、訪日外客誘致促進のためのプロモーションを実施する。JNTOによると、1月から7月の累計訪日外客数は推計値を含めて36.3%増の508万1700人。JNTO理事長の間宮忠敏氏は、急激な円高や中国・台湾路線の座席の供給不足について懸念を示しつつ、「このまま推移すればよほどの事態がない限り08年、09年を大きく上回る。(1000万人達成の)目標に向けて最大限の努力を傾注する」と意欲を見せた。

 具体的な事業としては、10月の羽田空港への国際定期便就航に際し、FIT層の集客強化を目的に航空会社6社、旅行会社3社とタイアップしてプロモーションを実施する。航空会社はソウル、シンガポール、バンコク、香港、ロサンゼルス、サンフランシスコ、パリに就航する航空会社で、日本航空(JL)、全日空(NH)、シンガポール航空(SQ)、タイ国際航空(TG)、キャセイパシフィック航空(CX)、香港ドラゴン航空(KA)の6社。共同広告や、ウェブサイトの相互リンク、現地の旅行会社向けセミナーの開催などを実施し、販売促進を支援する。

 また、座席の供給不足に対し「中国からの送客を増やすキーワードは、チャーター便と地方空港への送客増」(間宮氏)との考えから、中国の旅行会社に地方空港を利用したチャーター便の設定を働きかけていく。具体的には上海から旭川、茨城、岡山、北京から旭川、静岡、神戸、沖縄へのチャーター便利用ツアーの販売を支援。旅行会社と集客を目的とした共同広告を展開し、チャーター便の継続就航に向けて航空会社に働きかけを実施することで、地方空港への送客増をはかる。今までに旅行会社3社に対し広告支援の実績があるほか、7月、8月でチャーター便を6本運航しており、12月までに合計2万5000人規模がチャーターで送客される予定だ。さらに南京の旅行会社との共同広告で、上海発福岡着のクルーズツアーについても販売促進を実施していく。

 このほか、角川マーケティングとタイアップし、クリスマスや新年のカウントダウンなど年末年始のイベントをJNTOの簡体字、繁体字、韓国語のウェブサイトに掲載。年末年始の送客増をはかるほか、日本の食の魅力に関しても情報発信を強化していく計画だ。


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