7月の中国人訪日教育旅行、過去最高の1万1736人−2008年通年実績上回る

  • 2010年9月1日
 日本政府観光局(JNTO)によると、7月の中国からの訪日教育旅行申請者数が1万1736人となり、過去最高を記録していた2008年通年合計の1万1436人を1ヶ月のみで超える結果となった。今回の急激な増加の要因としては、JNTOや各都道府県が実施してきた継続的なプロモーションの成果に加え、新型インフルエンザで多くのキャンセルがあった昨年の反動や、日中関係が安定していることで旅行しやすい環境にあるといったことがあげられるという。

 7月は中国の夏休みと日本の学期中が重なることから訪日教育旅行のピーク期となっているが、今年は一地域で数千人単位の受け入れ実績をあげるケースもあった。たとえば長崎県は長年の実績と充実した学校交流プログラムを強みに、上海や山東省などから小中学生を中心に3000人以上の誘致に成功。長野県も、成田と関空からアクセスしやすい地の利と、自然環境を活かしたプログラムを強みに江蘇省や広東省から小中学生を中心に約2000名を誘致した。

 JNTOによると、今年の夏の傾向としては、中国での環境対策の関心の高まりから「環境対策・保護」の学習テーマが重視された。教育旅行の形態も変化が見られ、従来から多く見られた複数の学校で参加者を募る共同催行から、1校のみで募集・催行する例が増加。さらに、2006年からJNTO上海事務所と長野県で連携して実施しているプロモーション活動の成果もあり、江蘇省からの教育旅行の割合が増加。2008年と比較して4.4%増の3690人となった。