訪日外客の平均旅行費用は20万4057円−観光庁、消費動向調査を開始

  • 2010年8月26日
 観光庁は今年度から、訪日外国人旅行者の消費動向の把握と満足度の意識調査を目的に、「訪日外国人消費動向調査」を開始した。四半期ごとに実施し、第4四半期の終了後に年次データを作成する。このほど2010年4月から6月期の第1四半期の調査結果を発表。調査では、各国の旅行者の旅行費用について、パッケージツアーや日本までの往復運賃などの旅行前支出と日本での旅行中支出額などに分けてまとめたほか、旅行形態別の消費額、品目別の購入傾向といった消費実態なども発表している。

 これによると、平均旅行費用は20万4057円。このうち、旅行前に日本国外で購入したパッケージツアー代や日本との往復運賃などの旅行前支出は平均9万9794円で、日本での旅行中支出額は平均10万4263円と推計している。国・地域別では、平均旅行費用が最も高いのはロシアで31万7707円。次いでドイツ(29万5748円)、フランス(28万7110円)と続く。アジアで最も高かったのは中国(23万4408円)で全体の4番目となった。ただし、旅行前支出で最も高いのは米国(15万4306円)で、ドイツ(14万9489円)、インド(14万3717円)と続く。旅行中の支出額の上位5位はロシア(17万4377円)、フランス(15万1771円)、ドイツ(14万6259円)、中国(13万6870円)、オーストラリア(13万204円)。

 また、旅行中支出に、第1四半期の訪日外客数219万人を乗じて試算した消費額は2282億円(暫定値)。国・地域別の上位5位では、中国(503億円)、韓国(440億円)、台湾(262億円)、米国(249億円)、香港(111億円)で、上位5ヶ国で全体の68.6%を占める。

 旅行形態としては、パッケージツアーの購入者は全体の37.3%で、購入率が高いのは台湾(69.2%)、シンガポール(60.0%)、中国(56.9%)、香港(48.8%)。一方、個人手配旅行客の往復交通運賃の平均額は8万4150円で、個人手配旅行者の割合が多いのはドイツ(99.0%)、英国(96.6%)、オーストラリア(94.2%)、フランス(93.0%)、カナダ(91.9%)となった。

 なお、同調査は6月2日から6月23日まで、全国11ヶ所の主要空海港の国際線ターミナル登場待合ロビーで実施した。調査標本数は3906サンプル。


▽訪日外国人1人あたりの消費額国籍別一覧表(画像ファイル)