休暇分散化、来年の通常国会提出へ−中国アウトバウンド解禁は年末めざす

  • 2010年8月26日
 観光庁は休暇分散化関する祝日法改正法案について、来年の通常国会での提出をめざし準備を進めていく方針だ。観光庁長官の溝畑宏氏は8月25日の定例会見で、11月には具体案を決定する考えを示した。

 改正法案は全国を5ブロック5週に分けて実施する現行案を引き続き検討していくが、より良い意見があれば変更する余地はあるとし、意見を広く募っていく。9月には経済界、労働、教育、自治体などの関係者を集めて国民会議を開催する予定で、一般からの参加も呼びかける。さらに、10月から11月にかけて世論調査を実施し、全国10都市で第2回目となる説明会を実施する計画だ。

 溝畑氏は、6月のインターネットによる調査で64%が「効果なし」と応えたことに関し、経済効果が1兆円になると発表する前の回答が多かったことが要因のひとつと分析。その上で、「賛否両論はあるが、メリットや課題の対策をしっかり説明すれば、やる方向で落ち着くのでは」とした。有給休暇の取得率や国民の旅行回数、宿泊日数の低下が続く現状は「何もしないままではかわらない」ため、休暇分散化の実現により旅行市場の拡大をはかる。さらに、地方自治体や学校、企業と協力し、学校休暇の分散化や有給休暇の取得促進をすすめることで、休暇分散化を国民的な運動として展開していく考えをみせた。


▽中国人アウトバウンド業務解禁に向け要望強化

 日中韓観光大臣会合の場で、中国側からアウトバウンド業務の外資系旅行会社への解禁について年内をめざす考えが示されたことについて、溝畑氏は「初めて年内と期間を区切り、公式の場で中国国家旅游局局長が発言したことは、非常に大きい」と歓迎。今後は年内の実証実験開始など実現に向けて中国側とコミュニケーションをとり、さらに強く要望していく方針だ。


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