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スイス政観、エンガディン地方の食を紹介−新たな魅力付けのひとつに

  • 2009年10月16日
 スイス政府観光局は先ごろ、エンガディン地方の高級リゾートであるサン・モリッツを拠点とする有名シェフのレト・マティス氏の来日にあわせ、「エンガディン・ナイト」を開催、同地方の食の魅力を紹介した。マティス氏は、サン・モリッツ付近にある標高約2500メートルのコルヴィリアの頂に位置するレストラン「ラ・マーミット」をはじめ5軒のレストランを経営するほか、毎年冬に開催される「サン・モリッツ・グルメ・フェスティバル」の創始者でもある。

 エンガディン地方には約250軒のレストランがあり、ミシュランの星付きレストランも3軒ある。深い山と谷に囲まれた同地方では長い冬を乗り切るため、干し肉など保存食をベースにした食文化が育まれてきた。マティス氏によると、最近はそれらの伝統的な素材を斬新にアレンジして提供するレストランが増えてきているという。


 2008年に「レーティッシュ鉄道アルブラ線/ベルニナ線と周辺の景観」が世界遺産に登録されて以来、エンガディン地方を含むスイス旅行商品が増え、同地方の日本人宿泊数は順調に伸びてきた。同じく来日したエンガディン・サンモリッツ観光局セールス・マネージャーのパトリック・ハルトマン氏は日本人宿泊数の推移について「レーティッシュ鉄道が世界遺産に登録されたことは大きいが、この3、4年集中してエンガディン地方を日本市場にプロモーションしてきたことが功を奏している」と語り、今後は食などの新しい切り口も加えて同地域の魅力を引き続き紹介していく意向だ。

 スイス政府観光局日本・アジア支局長のロジェ・ツビンデン氏も「今後はチーズだけではなく、多様なスイスの食文化をもっと積極的に紹介していきたい」と語り、既存の観光素材として知られる鉄道や自然に追加する形で食の魅力もアピールする考えだ。