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JAL経営改善で有識者会議、計画案は「緊迫感欠ける」−計画策定は9月下旬か

  • 2009年8月21日
 国土交通省は8月20日、日本航空(JL)の経営改善計画について議論する有識者会議を初めて開催した。この会議は、JLが確実に経営改善を実現するために、企業再生に関する専門的な知識や第三者の客観的な視点を計画に反映することがねらい。会議の冒頭、国土交通省航空局長の前田隆平氏は、「JLの現在の経営危機は、昨年来の同時不況のみの結果でなく、これまでの経営改善努力が十分に行われてこなかったと考えている」と指摘し、「有識者会議で了承を得られる計画を作り上げるべく、全力で取り組んで欲しい」と要望。これに対してJL代表取締役社長の西松遙氏は、「現状は危急存亡の時であり、経営改善計画の策定に向け不退転の決意で望む」と強調し、「これまでの経営努力の枠組みを超えた、いわば再創業が必要と考えている」と語った。

 国土交通省航空局航空事業課長の篠原康弘氏によると、会議ではJLから計画の方向性などについて説明。路線の減便・廃止や機材数削減、コスト削減など収支改善をはじめ、事業構造の変革に関わることを含めて検討を進めていることを報告された。これに対して委員やオブザーバーからは、「時間的余裕がないなかで、説明にはまだ抽象論が多く、緊迫感に欠ける」、「国際競争で勝っていくための哲学・考え方や、そのために必要な視点が欠けているのではないか」、「従来の航空会社経営に慣れ親しんだ考え方。従来型の発想を離れて白紙から抜本的に考えて欲しい」といった厳しい意見があがった。特に、説明に具体性が欠けていた点について、分析や評価をできないとの声が強かったようだ。

 篠原氏は、9月中旬に予定する次回には具体性のある計画案が提出される見通しを示し、9月末に第3回を開催して最終的な取りまとめにこぎつけたい考えを説明。有識者会議は経営改善計画の策定後も継続し、定期的に計画の実施状況を監視し、実行が不十分な場合には国土交通省に対して改善措置の指導を要請する。

 なお、会議では国交省からJLの経営改善に対する基本的姿勢を説明。具体的には、航空行政がJLの経営改善に関与する目的は「積極的な競争環境の確保」であり、航空企業としての安易な延命や高コスト体質の温存につながるような支援はしないこと、離島路線以外の路線維持のための運航費補助はしないことを確認した。


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