JATA、燃油費の運賃一本化要望に変更なし、柴田理事長「良識に期待したい」

  • 2009年8月20日
 全日空(NH)や日本航空(JL)、一部の外国籍航空会社などが燃油サーチャージを再設定し、国土交通省に申請した。10月以降に燃油サーチャージが復活する可能性があるが、日本旅行業協会(JATA)事務局長の奥山隆哉氏は19日の定例会見で、「JATAのスタンスは金井会長名で提出した要望書どおりで、本体運賃への一体化路線の変更はない。サーチャージのあり方について検討委員会の実施に向けた活動をしたい」と、改めて強調した。

 奥山氏は「航空事業者は各社の経営数値が赤字となった主要因が、ビジネス渡航需要の減少、燃油サーチャージによる需要減、燃油費の圧迫の3つにあることを間違いなく認識している。それでも、背に腹は変えられないということだろう」と理解を示す。ただし4月の市場調査で、旅行を控えていた若者やミドル層がゴールデンウィーク前に動きをみせたという結果や、新型インフルエンザの影響を残すものの7月以降は着実な回復基調にあることから「燃油サーチャージ削減が市場の動きに影響することはデータで明らか」と述べ、燃油サーチャージが復活されれば、10月以降の動きに水をかけると懸念を示した。

 また、JATA理事長の柴田耕介氏も「全般的な世間の動きとして、トラックやバスなど石油を利用する業界に動きがでていないなか、航空会社が先頭を切って申請することになる」と述べ、「民の目線を理解してほしい。航空局と観光庁を管轄する国土交通省の良識に期待したい」と語った。

 国土交通省が燃油サーチャージを認可した場合、JATAは検討委員会の開催の申し入れをしていく。2010年4月に一本化を実現するためには12月初旬に結論を出す必要があることから、9月ごろには実現したい考えだ。


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※訂正案内(8月20日 編集部)

訂正箇所:柴田理事長の発言
 誤:「常識に期待したい」
   ↓
 正:「良識に期待したい」